ぶらりうぉーかー

ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

【聖天院】「高麗王若光」の菩提寺参拝

こんにちは。今回は、埼玉県日高市にある『聖天院』の参拝レポートです。
「しょうでんいん」と読む、奈良時代に創建された真言宗智山派のお寺です。昔、朝鮮半島にあった国「高句麗(こうくり)」から渡来した高麗人は、現在の埼玉県日高市と飯能市を中心に設置された高麗郡に移住し、この地の開拓を行い、生活基盤を整えました。日高市には「高麗(こま)」という地名や、「高麗神社(こまじんじゃ)」や「高麗川(こまがわ)」などの名称がありますが、これは「高句麗」と深い関わりがあったことを示しています。発展に大きく貢献したのは、高句麗郡の初代郡司・高句麗の王の息子であった高麗王若光。没後、菩提寺として『聖天院』が創建されました。

将軍標

参道に建つ「将軍標」。朝鮮半島の村落などで見られる魔除けのための境界標です。

「天下大将軍」「地下女将軍」と刻まれたトーテムポールのような石柱・将軍標。向かって左側が男性、右側が女性の標で一対になっているようです。

『聖天院』の文化財一覧の看板。

山門(風神雷神門)

天保初年~3年に完成した日高市指定文化財・重厚感たっぷりの山門。迫力ありますよ~!

山門の左右に配置された「風神」「雷神」。
「風神」「雷神」が安置されているところと言えば、「浅草寺」の総門「雷門」を思い出しますが、それよりも迫力ある風貌は、思わず見入ってしまうほど!製作された年代は不明なのですが、色のあせ具合が何とも渋いです。

「山門」をくぐり、階段を上ると「中門」に到着。

中門

ここから先の拝観は有料です。大人300円(2024年5月時点)

庭園

中門をくぐると正面に広がる日本庭園。

阿弥陀堂

庭園の左手には日高市指定文化財の「阿弥陀堂」。『聖天院』境内では最も古い木造建築物なのだそう。

庭園の脇には「本堂」に向かう長い階段。

階段の途中から振り返ります。思った以上に高台にある境内です。

仁王尊

長い階段の終りは仁王像がお出迎え。

本堂

現在の「本堂」は平成12年(2000年)の建立。本尊に不動明王を祀り、大日如来、釈迦如来、地蔵菩薩、愛染明王、観音・勢至菩薩を配祀し、堂内左手に若光守護仏聖天尊が祀られているのだそう。

参拝した日は少し曇っていましたが、本堂前の展望台からの眺望は抜群!

境内に枝ぶりの良い松を発見!綺麗で気持ちのよい境内です。

鐘楼堂

お寺のホームページでは2019年完成予定となっていますが、見事に完成していますね!

鐘楼堂は中に上ることもできます!まだ出来て間もないせいか清々しい空気が流れていますね。

高麗王若光の像

「鐘楼堂」の横の見晴らしの良い場所には、昔の”高麗郷”を見渡す「高麗王若光」の像。

高麗王若光の墓

最後に「高麗王若光の墓」へ。山門の右手にありますが、なかなか趣のある墓所です。

お墓の入口の両側には、何故か”ひつじの石像”。狛ひつじですかね…。調べてみると朝鮮半島や中国ではお墓を守る為に置かれているのだとか。

お堂には「高麗王廟」と書かれた扁額。

お堂の中には、これまたビックリの大きな石が積み重なった「多重塔」がど~んとご鎮座しています!日高市指定文化財で、鎌倉時代以前に建立されたものなのだそう。

『聖天院』から徒歩15分ほどの場所に、高麗王若光を祀った「高麗神社」があり、埼玉県日高市の観光の際には、セットで回るのがおすすめです!

基本情報

・名称:高麗山聖天院
・住所:埼玉県日高市新堀990-1
・電話:042-989-3425
・拝観時間:8時~17時
・拝観料:大人300円、小人(小学生)150円
 ※2024年5月時点
・駐車場:あり
・HP:https://shoudenin.jp/
・アクセス
-JR川越線「高麗川駅」徒歩約30分
-西武線「高麗駅」徒歩約40分