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ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

【上原美術館】伊豆の山々に囲まれた静かな美術館~「近代絵画」と「仏教美術」鑑賞

こんにちは。今回は伊豆・下田市にある『上原美術館』のご紹介です。
自然豊かな山間にある美術館で、あのリポビタンDを開発した会社「大正製薬株式会社」の名誉会長・上原昭二氏より寄付を受けた近代絵画コレクションと、上原昭二氏の両親であり、大正製薬会長であった上原正吉・小枝夫妻より寄付された仏教美術品が展示されています。上原家の私立美術館なんですね。

第2駐車場 北入口

「伊豆急下田駅」から車で15分ほど。少しわかりづらい場所かも知れませんが、国道414号から若干それた側道を進んでいくと、『上原美術館』までの道順看板が交差点ごとにあり、その矢印に従うと、駐車場まで誘導してくれます。
駐車場は無料、第1と第2駐車場の2つ。上の写真は第2のほうで、階段を上ると美術館横に出ます。また第2駐車場は、車椅子の方が利用できるバリアフリーの構造です。

階段を上ると、屋外彫刻を発見!

「三人の衛士」

リン・チャドウィック作

護衛の兵士?がお出迎えしてくれます。鋭利なフォルムがなかなか力強いですね。「ファイト~、イッパーツ!」と聞こえてきそうです。

近代館

美術館は近代絵画コレクションを展示する「近代館」と仏教美術品を展示する「仏教館」の二つに分かれています。もともとは「上原近代美術館」と「上原仏教美術館」は別々の美術館だったのですが、2017年に2つは合併し『上原美術館』が誕生しました。

仏教館

そして、こちらが「仏教館」。二つの建物は隣接しています。

上原正吉先生御夫妻像

大正製薬株式会社名誉会長 故上原正吉・小枝夫妻の像が「仏教館」横に建てられています。この御夫妻の寄付により財団法人上原仏教美術振興財団が設立、1983年に「上原仏教美術館」が開館しました。調べてみると、奥さんの小枝さんの故郷がこの地らしく、美術館の向かいには上原家の菩提寺がある事から、ここに美術館を設立したのかと。後ほど菩提寺の「向陽寺」も参拝します。

ワシの像

ワシのマークで知られている「大正製薬」の会長がオープンした美術館という事もあり、上原先生御夫妻像の隣りは、ワシの像がありました!
何故、「大正製薬」のマークがワシなのか調べてみると、大衆にわかりやすく、未来に向かって力強く羽ばたいていくイメージがピッタリなので「鷲」が選定されたのだそう。

エントランス

まずは受付(チケット売場)のある「近代館」から鑑賞。こぢんまりとした展示室が3つあります。エントランスはこんな感じで、彫刻が数点ほど展示されています。入館料は、大人1,000円、学生500円、高校生以下は無料です。(2024年8月時点)

今回の展示会はほとんどの作品の写真撮影はOKでした。恐らく、今後もこういう形なのかも知れません。

展示室

展示室の雰囲気はこんな感じ。マイナーな美術館のせいか混雑もしておらず、じっくり鑑賞できました。今回の展覧会で個人的に気に入ったものを以下にピックアップ。

「鏡の前に立つ白いガウンを着た裸婦」

アンリ・マティス作

「銀化せる鯛」

安井曽太郎 作

「ウルビノ壺のある静物」

ポール・セザンヌ作

「卓上静物」

須田国太郎 作

「アニエール、洗濯船」

ポール・シニヤック作

「夕月富士」

牛島憲之 作

ラウンジ

ラウンジが受付の奥にありました。セルフサービスでコーヒーが無料で飲めました。出入りは自由ですが、テーブル2つ、ソファー2つしかないので混雑している時は利用できないかも。

「風と少女ーVersilia」

山本正道 作

ラウンジから見た中庭の眺め。芝生の上の彫刻がいい感じです!

次は「仏教館」へ。

出入口を入ると、こんな巨大な木彫りの仁王像がお出迎えしてくれます。

仏像ギャラリー

約130体の木彫りの仏像が展示されている「仏像ギャラリー」。このフロアの写真撮影もOK。

釈迦三尊やら七福神やら、様々な仏像が展示されています。意外にもなかなか見応えありました!

無料のパンフレットがフロアに置かれていますので、それを見ながら鑑賞するのがおススメです。様々な仏さまの関係性、意味がわかりやすく説明されています。

企画展

訪問した時に開催していた企画展「都の祈り 伊豆の祈り」の展示室へ向かいます。ここもこぢんまりとした展示室です。

展示室の入口では、十二神将像がお出迎え。

静岡県や河津町の文化財にも指定されている像も展示されていました。

向陽寺

鑑賞後、隣接する「向陽寺」へ。流れる人工の滝の上に立つ仏像が印象的な境内です。

本堂

「向陽寺」の本堂。曹洞宗のお寺で山号は日照山。約400年前に開山した古刹との事ですが、江戸時代の頃に本堂が焼失、1970年代に上原正吉、小枝夫妻の支援もあり、現在の本堂が再建されたとの事。

達磨大師堂

商売繁盛、家内安全、学業成就、厄除開運、金運招福などのご利益のある「幸運の達磨大師」として親しまれているらしい。

「達磨大師堂」のある小高い丘から見た『上原美術館』。

境内には、たくさんの石像。体の悪い部分を治す「下田洗い観音」や有名な元政治家の方などから寄贈された地蔵菩薩群もあります。

今回は伊豆の自然に囲まれた小さなミュージアム『上原美術館』のご紹介でした。旅の途中にふらっと立ち寄りたい美術館です!

基本情報

・名称:上原美術館
・住所:静岡県下田市宇土金341
・電話:0558-28-1228
・開館時間:9時30分~16時30分
・休館日:展示替え日のみ休館
・入館料:大人1,000円、学生500円、高校生以下無料
 ※2024年8月時点
・駐車場:あり(無料)  
・HP:https://uehara-museum.or.jp/