こんにちは。前回に続き、熱海散策。今回は『熱海山口美術館』のご紹介です。
熱海の美術館と言えば、「MOA美術館」が有名ですが、2020年にオープンした『熱海山口美術館』も小規模ながら見どころ満載のミュージアムです。”体験と学びができる美術館”と言うのがキャッチフレーズになっており、人間国宝の茶器で抹茶を飲む体験、小皿への絵付け体験などできる面白い美術館です。
熱海山口美術館
熱海の街はずれ、「渚小公園」に隣接したところに『熱海山口美術館』はあります。
『熱海山口美術館』は、山口文化財団が運営しており、約2,000点にもおよぶアート作品のコレクションを収蔵しているとの事です。
美術館の裏はこんな感じ。ビルの壁面いっぱいに張り付けられた宮田亮平氏のイルカのアート作品ですが、見入ってしまいますね!よ~く見るとビルの壁面は、なんと太陽光パネル。11mx14mの太陽光パネルを海に見立てて、宮田亮平氏に作品製作依頼をしたのだそうです。誰もが無料で鑑賞できるので、大規模なパブリックアートなんですね!
デカデカと書かれた「熱海山口」大きな文字が何だか怪しい雰囲気も感じますが、もしかしたら、山口県に「山口県立美術館」があるので、混同しないように「熱海山口」と表記しているのかも知れません。
「河童」
正面入口の脇には、岡本太郎の作品がお出迎え!
ごあいさつ
山口文化財団理事長のごあいさつがあったのでご参考まで。
このごあいさつを読んで頂ければわかると思いますが、非常に”敷居の低い”美術館で、アートへの入口として足を運んでもらえれば…と言う気持ちが伝わってきます。
入館料は、一般1,400円。ドリンク1杯無料+小皿焼き物の絵付け体験付きです。(2023年6月時点)
『熱海山口美術館』は、全室写真撮影OKの美術館です。(フラッシュ撮影は禁止)SNSに写真を投稿すればオリジナルポストカードももらえるのだそう。
館内案内図
展示室は屋外展示と通路展示を合わせて、全部で11か所。この日は展示室7が準備中だった為、全10か所の鑑賞でした。では、早速、鑑賞スタート!
いきなり、銅鑼(どら)が登場。鳴らしてみよう!と書かれていますが、皆さん、ひそひそ話をしながら作品鑑賞をしていたので、止めておきました。
展示室1
最初の展示室を鑑賞。美術館関係者の展示室なのだそうです。
「シュプリンゲン」
宮田亮平 作
これ、美術館の外壁に展示されているイルカを製作した方ですね。
「兎翔ぶ」
宮田亮平 作
「女の像」
北郷 悟 作
「Air」
北郷 悟 作
「歩く人」
北郷 悟 作
「岡倉天心胸像」
平櫛田中 作
展示室2
パブロ・ピカソの陶器を中心とした展示室。気になった作品を何点かピックアップ。
「髭のある小さな顔」
「手と魚」
「アルムのついた水差し」と「ヤンの顔」
「ピカドール(闘牛士)Ⅱ」
展示室3
2階に行く途中の廊下と階段にも作品展示があります。
何故か、中世の騎士のような鎧が…。
バンクシー①
バンクシー作品2点。「Because Im Worthless(Red)」と「パルプフィクション」。2階の展示室にもバンクシー作品があるようなので、後ほど。
オーギュスト・ロダンの「裸婦(複製)」とエミリオ・グレコの「Birgitta」。
展示室4
国指定重要文化財の展示もある仏像のコーナー。
千手観音立像
鎌倉時代に僧行基が滋賀県甲賀市大岡山の山頂に自彫りの十一面観音を安置したとされています。国指定重要文化財です。千手観音像をこんなに近くから、しかも後ろからも観られるのは珍しいかも知れませんね。
阿弥陀如来立像
平安時代に高僧の第六祖とされる恵心僧都の作とされています。これも国指定重要文化財。
信楽四方仏
石の4面に仏様が彫ってある作品ですが、石の色合いがいいなぁ…と見入っていたら、何と作者は細川護熙。第79代内閣総理大臣だった方ですね。
展示室5
ここは、日本画の展示エリア。
横山大観の作品
近代日本画の巨匠である横山大観の掛け軸がど~んと4つも!
「巌上之虎・月下猛虎」
橋本雅邦 作
日本画はあまり詳しくありませんが、両端の高い岩場と低い所にいる虎二匹のシーンは、定番の構図なのかな。
「将軍の孫」
北村西望 作
このアーチストの方は長崎の平和祈念像を製作された方です。「将軍の孫」って妙にインパクトのあるタイトルです。2階の通路に展示してあります。
展示室6
この展示室は漆と金工が中心のコーナー。
「猫」
田口善国 作
この作品気に入りました!深い青色がいい雰囲気。
何とも煌びやかな手毬と小箱。見事な伝統工芸品です。
展示室8
お次は、フランス美術のコーナー。お馴染みの巨匠たちの作品をピックアップしてみました。
「座する浴女」と「少女像」
ピエール=オーギュスト・ルノワール作
「サーカスより(PL21)」
マルク・シャガール作
「キリストと漁夫」
ジョルジュ・ルオー作
「無心なクロエ」
ジャン・ジャンセン作
屋外展示(展示室9)
ここで一旦、屋外展示室(展示室9)へ。展示室6~8全てから屋外展示室への出入口があります。真っ先に目に飛び込んでくる”いるかたち”!館内案内図に”一億円のいるか”って書いてありましたが、ビル外壁のも含めて、作品の制作費は1億円したと言う事なのかな。
1億円のいるか?
ビル外壁の太陽光パネル上に製作した後、追加で3体製作されたとの事。間近で見ると迫力ありますよ。
「さかな」
岡本太郎の屋外展示品もありました!本日2つ目。
これは作者不明ですが、たくさんの昔のポットが張り付いているのが面白く、写真を一枚。
展示室10
現代美術の展示室。
「鬼フィギュアDX2」
瀧下和之 作
「Mr.DOBtopus A」「Mr.DOBtopus B」
村上 隆 作
「光琳:ダークマター」
「Flower花(1)」
草間彌生 作
「無限の水玉」
草間彌生 作
「帽子」
草間彌生 作
「LOVE FOREVER」
草間彌生 作
草間彌生の作品も4点ありました。ハンドバッグのようなものもあるんですね。これはグッズか何か?で、昔、販売していたものだろうか。
「葬列Ⅱ」
横尾忠則 作
バンクシー②
バンクシーのコーナー。個人的に気に入ったものをピックアップしてみました。全品シルクスクリーンプリントですが、調べてみるとバンクシー作品はスゴイ高価!
「LOVE IS IN THE AIR」
「TROLLEY HUNTERS」
「Festival (Destroy Capitalism)」
「Jack&Jill」
「BOMB HUGGER」と「LAUGH NOW」
「BOMB HUGGER (RED BOMB Ver.)」
「BOMB HUGGER」のフィギュアみたいなのもあるんですね。調べてみたら、2020年の発売時に5万円で販売されていました。これも個数限定なのかな。
展示室11
そして、最後に鑑賞するのは、岡本太郎の作品を中心とした展示室。お馴染み「坐る事を拒否する椅子」もありますね。
「サラマンダー 松竹梅」
井上裕起 作
岡本太郎作品ではありませんが、大きな作品なので一番目立っていました。
「若い夢」と「雷魂」
「太陽の塔」と「作品(油絵)」
「SUREMENT ET SANA BUT(10点組のうち3点)
ミュージアムカフェ
鑑賞終了すると、ミュージアムカフェに通されて、無料のドリンク一杯を頂けます。カフェのみの利用も可能。何も考えずにアイスコーヒーを頼んでしまいましたが、人間国宝の作家がつくった茶器で抹茶をすすれば良かったぁ。
絵付け体験
チケットに含まれている小皿への絵付け体験。らく焼きマーカーを使って、小皿の表裏に自由に描いていきます。絵付けが終わったら、お店の方を呼んで、焼いてもらいます。10分ほどで焼き上がり。
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考えてみれば、ローマ字は”SAMPO”のMが正しいような気もしますが、まぁ、いいや。この小皿に、お酒のつまみとして柿の種でも盛って、今回鑑賞した作品を思いながら、飲む事にしよう。熱海観光の新名所『熱海山口美術館』でした。
基本情報
・名称:熱海山口美術館
・住所:静岡県熱海市渚町24-1
・電話:0557-27-2411
・開館時間:9時30分~17時
・入館料:一般/1,400円、高校・大学生/1,200円、中学生以下/700円
※ドリンク1杯無料・絵付け体験付き
※2023年6月時点
・駐車場:なし(近隣コインパーキング利用)
・公式HP:https://atamiart.com/TOP
・アクセス
「熱海駅」から徒歩17分
※バス利用の場合、熱海駅から6~8分乗車
「昭和町」又は「国際専門学校前」又は「親水公園」下車徒歩1~2分