ぶらりうぉーかー

ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

【国立西洋美術館】東京・上野の「世界遺産の美術館」探訪

こんにちは。今回は、東京・上野公園にある『国立西洋美術館』のご紹介。
「松方コレクション」と言われる実業家・松方幸次郎が、主に第一次世界大戦中に欧州で収集した美術品を多数所蔵する美術館です。
実は『国立西洋美術館』は世界遺産。美術館の建物が、20世紀を代表するフランスの建築家「ル・コルビュジエ氏」による基本設計で、2016年に本館と前庭を含む敷地全体が、国立西洋美術館を構成資産に含む「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」として東京初の世界文化遺産に登録されています。

JR上野駅

『国立西洋美術館』は、JR上野駅公園口からのアクセスがベスト!改札を出てから1分程度で美術館入口に到着します。

国立西洋美術館

2022年4月にリニューアルオープンした『国立西洋美術館』。
開館以来、前庭に改変等、手が加えられてきましたが、世界文化遺産登録の際、当初の前庭の設計意図が一部失われているとの指摘を受けた事から、ル・コルビュジエが設計した意図が正しく伝わり、建物としての価値も高められるよう、前庭を開館当時の姿にできる限り戻す事が、リニューアル工事の主たる理由だったらしい。

まずは、屋外彫刻を順番に観て行きます。

「カレーの市民」

オーギュスト・ロダン作

前庭には、ロダンの作品が数点、展示されているので、館内に入る前にアート鑑賞の気分を盛り上げてくれます。

「考える人」

オーギュスト・ロダン作

言わずと知れた「考える人」。
20体以上が鋳造され、世界中に存在する人気の彫刻ですね。
この日は36℃の猛暑。「考える人」もめちゃくちゃ暑そうだ。

「弓をひくヘラクレス」

エミール=アントワーヌ・ブールデル作

この作品は、いつ見ても力強さを感じる彫刻ですね。ガチャガチャで卓上に飾れる小さなやつがあれば欲しい!

「地獄の門」

オーギュスト・ロダン作

ダンテの叙事詩「神曲」に登場する「地獄の門」の彫刻。
高さ5m以上もあり、観る者を圧倒する大型彫刻ですね。「地獄の門」の製作途中に、ロダンは亡くなってしまったので、「地獄の門」は未だに未完成なのだとか...。
ちなみに、この彫刻の中には「考える人」がいます。もともと「考える人」は考えているのではなく、罪人が「地獄の門」に吸い込まれていくのをじっと見つめているポーズだったとは…。このトリビアはなかなか面白い。

「エヴァ」と「アダム」

オーギュスト・ロダン作

「地獄の門」を中心にして、その左右に「エヴァ」と「アダム」が展示されています。

さて、次は館内の展示作品の鑑賞へ。

展示室

さすがに国立の美術館、広々としていますね。常設展なので人も少なめ。
なお、常設展は作品のほとんどが、写真撮影OKです。
展示室は、14~16世紀の絵画から始まり、18世紀→19世紀→20世紀の絵画を順番に鑑賞するルートになっています。

「最後の晩餐」

マールテン・デ・フォス作

「三連祭壇画:キリスト磔刑」

ヨース・ファン・グレーフェ作

「眠る二人の子供」

ぺーテル・パウル・ルーベンス作

「聖母子」

アンドレア・デル・サルト作

中世~近世の絵画の次は、19世紀の絵画の展示室へ。

「ヴェトゥイユ」

クロード・モネ作

「バラをつけた女」

ピエール=オーギュスト・ルノワール作

「帽子の女」

ピエール=オーギュスト・ルノワール作

「舞台袖の3人の踊り子」

エドガー・ドガ作

有名な画家たちの作品が多数展示されています。さすが国立の美術館…なのかな。

近代彫刻の展示室

途中、彫刻専用の展示室へ。中庭に面している開放的な空間です。
近代彫刻の展示室の隣りに、19~20世紀の絵画エリアがあります。

「ペルセウスとゴルゴーン」

カミーユ・クローデル作

この作者、ロダンの弟子であり、愛人でもあった方。
「ゴルゴーン」って、頭髪が、沢山の毒ヘビになっている怪物3姉妹の総称だったんですね。その3姉妹の中で、ペルセウスに首を切られて退治されたのがメドゥーサ。
メドゥーサの目を見たら、石にされてしまうので、子供の頃、ハラハラしながら映画を見ていた事を思い出しました。

「うずくまる女」と「接吻」

オーギュスト・ロダン作

この作品も「地獄の門」のどこかに潜んでいるみたいです。

「ブルターニュ風景」

ポール・ゴーガン作

「働く人々」

ピエール・ボナール作

「花と泉水」

アンリ=ジャン=ギヨーム・マルタン作

「ヴェールの踊り」

エミール=アントワーヌ・ブールデル作

19世紀の絵画のエリアに展示されていた彫刻。前庭に展示されていた「弓をひくヘラクレス」と同じアーチストの方でした。

「カジノのホール」

キース・ヴァン・ドンゲン作

「ジャン・ルノワール夫人」

アンドレ・ドラン作

「赤い鶏と青い空」

フェルナン・レジェ作

「横たわる女」

パブロ・ピカソ作

なかなか豪華なラインナップにしては、観覧料500円はリーズナブル。

調和に向かって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ

20世紀の絵画エリアで開催されていた小企画展。
美術館の建築基本設計をしたル・コルビュジエ氏の作品展示で、大成建設のコレクションを中心とした企画展のようです。
2022年9月19日(月)までの開催で、写真撮影OKとNGの作品が混在していました。何点かピックアップしてご紹介!

・「二人の浴女と漁網」
・「女性のアコーディオン弾きとオリンピック走者」
・「アコーディオンに合わせて踊る女性」
・「牡牛XVⅢ」
・「イコン」

近代建築の巨匠でもあり、溢れんばかりのアートの才能も持った方だったんですね。

『国立西洋美術館』の常設展は、高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料。
また、現在は、新型コロナウィルスの影響により中止になっていますが、通常は第2・第4土曜日、金・土曜日17時以降の観覧料も無料です。
散歩途中に立ち寄れる「世界遺産」として、お薦めしたい美術館です!

基本情報

・名称:国立西洋美術館
・住所:東京都台東区上野公園7-7
・電話:03-3828-5131
・営業時間:9時30分~17時
 ※金・土は20時迄
・休館日:月曜日
 ※年末年始,月曜祝日の場合は翌日
・入館料:常設展/一般500円,大学生250円
 ※高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料
 ※料金は2022年8月時点
・駐車場:なし(上野公園駐車場利用)
・HP:国立西洋美術館

アクセス

〇JR
『上野駅』公園口より徒歩1分
〇京成線
『京成上野駅』より徒歩7分
〇銀座線/日比谷線
『上野駅』より徒歩8分