こんにちは。今回は横浜・みなとみらいにある『みらい美術館』のご紹介です。
歯科医療専門学校の中にある小さな美術館なので、存在を知らない方も多いかと思いますが、もともとは、ガラス工芸品収集家として知られる故鶴見輝彦氏が、自らのコレクションを自身が経営する「学校法人鶴見歯科学園(現みなとみらい学園)」内において展示したのが始まり。その後、2016年にみなとみらい地区に新校舎を建設する際、長年望んでいた、美術館を開設するに至ったとの事です。
みらい美術館
「みなとみらい学園ビル」前の広場。みなとみらい線「新高島駅」のすぐ近く、「横浜駅」からも徒歩10分程度です。「みらい美術館」は「みなとみらい学園ビル」の2階にあります。
美術館エントランス
階段を上り、ビル2階「みらい美術館」の入口へ。訪問した日は、エントランスにステンドグラスのランプが展示されていました。
このステンドグラスのランプ、どうやら、鶴見輝彦氏が、地域の方々にもガラス工芸に触れてもらうために開催していた「ステンドグラスの集い」において製作した、一般の方達の作品らしい。かなりクオリティが高い作品ですよ。
展示室
展示室の雰囲気はこんな感じ。メインの展示フロアはひとつだけで、広くはないです。
現在開催中の企画展は、ガラスと光の饗宴「アール・ヌーヴォー&アール・デコ」展。その時代のランプや花器など約50作品が展示されており、美しいガラス工芸の世界を堪能できます。
会期は2023年10月9日(月)まで。この美術館は、月~木の平日は閉館、金、土、日、祝日のみの開館となります。入館料は一般800円。展示スペースが小さい割には、若干高めの料金設定と感じる方もいらっしゃるかも。
なお、写真撮影はOKです。(フラッシュの使用はNG)
19世紀後半から20世紀前半の頃に、活躍した兄のオーギュスト・ドームと弟のアントナン・ドームの二人、ドーム兄弟が世に送り出した作品。
「春の野原文花器」
「コウノトリ文花器」
2つの作品ともに、1800年代後半の製作。高価そう。
「湖畔風景文花器」
これも「ドーム」作品。エナメル彩色による絵付けらしい。
「睡蓮三灯ランプ」
ドーム&マジョレル作
スイレンの花のランプですね。製作は1905年頃。脚の部分は、フランスを代表する装飾家、ルイ・マジョレルの製作。今回の企画展の目玉でもあるようで、思わず、見入ってしまう美しさです!
「茸型大型ランプ」
ドーム作
キノコをモチーフにした作品。日本芸術の影響を受けて、金箔も封入しているのだそう。
お次は、ガラスアートや宝飾デザイナーとして知られているルネ・ラリック氏の作品群。アール・ヌーヴォー、アール・デコ両時代にわたって活躍された方です。写真の展示品は、金魚やら鳥がデザインされた花瓶。
「猫」
「女性像(蔦台)」
1900年代前半のクリスタル・オブジェ。ラリックのホームページを見ると、今でも色々なデザインのグラスやオブジェ、アクセサリーなどの新作が販売されていますね。
天井灯
天井から吊るされている灯りも目を見張るものばかり。
味わい深い雰囲気と言う言葉がピッタリの作品です!
「三美神文ランプ」
エミール・ガレ作
ランプ脚部の彫刻が印象的なアール・ヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸家の方の作品。
「帆船文ランプ」
ドーム作
「ポージュ風景文ランプ」
ミューラー兄弟作
エミール・ガレのガラス工房で働き、後に独立したガラス工芸一家。1人の息子と1人の娘の10人兄弟がミューラー兄弟らしい。
「松に鷹文花器」
エミール・ガレ作
「蛙文栓付瓶」
エミール・ガレ作
「松文花器」
エミール・ガレ作
19世紀後半、日本の浮世絵などのジャポニスムの影響を受けて、製作されたエミール・ガレの作品群。
以下、ガレやドームらの作品の中から、個人的に気に入ったものをピックアップしてみました。
会期が4~5か月間くらいの企画展を年2回開催しており、ガレやラリック、ドーム兄弟らの様々な作品を鑑賞できる「みらい美術館」。美術館と言うよりも、みなとみらい学園ビル内展示室って感じなのですが、ガラス工芸が好きな方は、みなとみらいを散策がてら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
基本情報
・名称:みらい美術館
・住所:横浜市西区高島1-2-15みなとみらい学園ビル2F
・電話:045-222-8696
・開館時間:10~17時
・開館日:金/土/日/祝日
・入館料:一般800円、学生600円、60歳以上600円、中学生以下は無料
※2023年9月時点
・駐車場:なし
・公式HP:https://tsurumi-ikueikai.jp/miraimuseum/
・アクセス
-みなとみらい線「新高島駅」徒歩3分
-「横浜駅」東口から徒歩10分