こんにちは。神奈川県平塚市にある『平塚市美術館』で開催中の造形作家・玉田多紀氏の『ダンボール物語』を鑑賞してきました。
SDGsに適した環境素材であるダンボールを使ったアートと言う事で、足を運んでみましたが、小さなお子さんから大人まで楽しめる展覧会でした。
平塚市美術館
JR「平塚駅」からは、徒歩20分くらい。平塚市役所の近くにあります。
美術館の前庭には、屋外彫刻が何点か展示されています。見学自由なので、パブリックアートなんですね。屋外彫刻の詳細については、以下の記事をご参照。
「海」
前回訪問時にも、気になった淀井敏夫氏の彫刻作品。入館前に立ち寄りました。
エントランスホール
エントランスの彫刻。チケット売場の前に展示されています。
「Animal2007-01、02」
三沢厚彦 作
お出迎えしてくれたのは2体のユニコーン。2020年時点で、期間限定での展示との事でしたが、嬉しい事にまだ展示されていました!
ペコちゃん
何故か「ペコちゃん」もお出迎え!平塚市には、不二家の工場があるからかな。作品は、富岡奈津江氏の「陶のペコちゃん」。
玉田多紀「ダンボール物語」
玉田多紀氏は、古紙ダンボールを使用して、生き物のユニークな立体作品を製作しているアーチストの方。
高いリサイクル率のダンボールをパルプにまで還元、粘土のようにして造形していく、特殊な技法で製作しているようです。なお、今回、関東での公立美術館では、初の個展になるとの事。写真撮影もOKの展覧会です。
テーマホールの作品群
恐竜やらアマビエやら…展示室への入口前に置かれた作品群。結構、大型作品なんですね。皆、よく出来ていてビックリ!
テーマホールに展示されている作品は見学自由です。では早速、入館。気に入った作品をピックアップしてご紹介します。なお、観覧料は大人700円。
お尻の物語
最初の展示室は、動物たちの”おしり”!
作者のこんなメッセージがありました。「振り向かず、未来へとつながる道を進もう」と。これが、おしりを向けている意味なんですね。ちなみにテーマ別に分けられた展示室、展示エリアには、”xxx物語”と言う名前が付けられています。
恐竜の物語
お次は「恐竜の物語」の展示室へ。
「Think about/ドラゴン」
卵?に囲まれた愛らしい恐竜。よ~く見ると天使のように羽根が生えています。どうやら”ドラゴン”のようですね。
この作品名は「Think about」、通称ドラゴンと呼ぶそうです。作品解説板に、作者のメッセージが添えられていたので、ご紹介しておきます。
「グローバルでユニバーサルな現代においても、まだ根深く残る思想が母性神話である。より個性的であることで承認欲求を満たしてきた私の人生において、良き母像を突きつけられ常識人を試される環境に自分を見失う。よそはよそ うちはうち 私は私」
他にも、こんな恐竜たちの作品。
アネモネの物語
アネモネの花の真ん中に動物の顔。皆それぞれ変わった作品名が付けられています。
キリンは「言いたい事が言えない」、サイは「事なかれ主義」なんて面白い。
金魚の物語
天井からぶら下っているのは、金魚の作品。優雅に泳いでいますな。
カエルの物語
カエルと蜘蛛の幻想的な展示室。宙に浮いているような蜘蛛がライトに照らされている感じがいい!おとぎ話のワンシーンみたいです。
絶滅危惧種の物語
ダンボールで製作したとは思えませんね。ここは、絶滅危惧種をモチーフにした展示室です。芝生のような緑の円内の作品群が、今回の個展のハイライトかな。
近くに寄って見てみると、ダンボールを使っての作品と言う事がわかります。このアート、確かに”ダンボールの素材感を損なわないように”するのがポイントですね。
こちらは、額縁に入った絶滅危惧種のコーナー。
壁飾りとして欲しくなりますね!
サカナの物語
ここは、海や水の中に棲む生物たちの作品。
ピラルクーとアロワナでしょうか。
ナマズとグッピー?
親子のアンモナイト。「サカナの物語」エリアで、唯一、太古の生物の作品です。
ジンベエザメと親子カメ。
海からど~んと顔を突き出す迫力のクジラ!
「ぼくにwelcome」
「作家の物語」エリアに展示されている作品です。擬人化されたカエルさんが可愛いらしい。おーい、みんなって感じ。
木の上にいる「カメレオン」については、触ったり抱えたりする事ができる作品です。勿論、抱っこして記念撮影をしてもOK。
蓮太郎物語
蓮から生まれた蓮太郎が、生まれ、成長していく過程を表現した作品群。
玉田多紀「ダンボール物語」の会期は、2023年9月10日(日)まで。
今回の個展は、玉田多紀さんが作家活動を始めてから15年間で製作された作品約130点を一堂に鑑賞できる機会なので、興味を持たれた方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。
基本情報
・名称:平塚市美術館
・住所:神奈川県平塚市西八幡1-3-3
・電話:0463-35-2111
・開館時間:9時30分~17時
・休館日:月曜、年末年始
※月曜祝日の場合は開館、翌火曜休館
・観覧料:企画展により異なる
※特集展は大人200円/高大生100円
※2023年8月時点
・駐車場:あり(有料)
※利用時間8~22時、割引サービス有
・HP:平塚市美術館
・アクセス
-JR東海道線「平塚駅」徒歩20分
※「平塚駅」から神奈中バス利用「美術館入口」下車,徒歩1分