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【小石川後楽園】都内に現存する江戸時代最古の「大名庭園」散策

こんにちは。東京・文京区、東京ドームの隣りにある『小石川後楽園』のご紹介です。「特別史跡」と「特別名勝」として国の文化財に指定されているのですが、重複指定を受けている庭園は珍しく、全国でも9カ所しかないそうです。都内に現存する江戸時代最古の「大名庭園」として知られており、四季を通じて花々を楽しめる場所としても人気があります。今回は花菖蒲の咲く季節を散策してみました!

西門

『小石川後楽園』の入口は2ヶ所あり、今回は「西門」から入園。最寄り駅は「飯田橋」です。できれば「東門」からの入園が良いとの事ですが、理由は後ほど。

東門

「東門」の入口はこんな感じ。最寄り駅は「水道橋」。

周辺案内図

場所的には「東京ドーム」の隣り。園内からもドームの屋根が見えますよ。

園内案内図

園内は池を中心にした「回遊式築山泉水庭園」で広さは約7万㎡もあります。
水戸徳川家初代藩主・徳川頼房の屋敷として江戸時代初期に建てられて、2代藩主の水戸黄門こと、徳川光圀により手が加えられ、現在の姿になったとの事です。

庭園入口

入園料は一般300円(2024年6月時点)なお、みどりの(5月4日)と都民の日は(10月1日)無料公開されるのだそう。ちなみに「後楽園」の名称は、徳川光圀が明の儒学者で日本に亡命していた朱舜水の意見を参考にしたもので、宋の笵仲淹の「岳陽楼記」中の「先天下之憂而憂 後天下之楽而楽(天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ)」から命名されたとの事。それでは早速、散策開始!

庭園入口を抜けると、綺麗に整備された庭園が目の前に広がります。

大泉水

『小石川後楽園』の中心的な存在の池「大泉水」。琵琶湖も模して造られたのだそうです。森の奥に見えるのは「東京ドーム」の屋根。庭園内は各地の名所を模した景観が見どころですよ!

蓬莱島

「大泉水」に浮かぶ島「蓬莱島」。この島を造る事で、より一層「琵琶湖」の雰囲気にしたんですかね。大昔、中国で仙人が住むといわれていた島を蓬萊と言うそうです。島の真ん中あたりに赤い弁財天の祠が見えます。

徳大寺石

「蓬莱島」の前に配された石群の中に黒い長方形の巨石がありますが、この石が「徳大寺石」と呼ばれているようです。当時「後楽園」の築庭に携わった庭師・徳大寺佐兵衛の名前を取っているのかと。

一つ松

幹がクネクネ曲がった風情ある松。近江大津の「唐崎の一つ松」を写したと伝えられています。説明板によると何度か植え替えられているが、徳川光圀が大切にした松だったらしい。

大堰川と渡月橋

「西門」から庭園に入り、左手に進んでいくと京都・嵐山を模して造られた「大堰川」と「渡月橋」があります。

西湖の堤

「渡月橋」を渡ったところにあるのが中国・杭州市の西湖を模した石造りの堤。

屏風岩

「西湖の堤」の向い側、「大堰川」川原に置かれた立派な「屏風岩」。

通天橋

川の上流には赤い「通天橋」がかけられています。

散策路を進んでいくと「通天橋」に到着。このエリアは紅葉の時期が綺麗そうですね。京都の紅葉名所である東福寺の通天橋と同じ名前にしています。

清水観音堂跡

京都・清水寺を模した「清水観音堂」跡。関東大震災で焼失してしまったのだそう。

得仁堂

徳川光圀が18歳の時、司馬遷史記『伯夷列伝』を読み感銘を受け、儒教の聖人である伯夷・叔斉の木像を安置したお堂。

円月橋

大きく湾曲したアーチ状の石橋で、水面に映る形が満月のように見えることより「円月橋」と名付けられたようです。

愛宕坂

すごい急な階段を発見!見学だけで上ることはできません。京都・愛宕山の坂にならって造られたもので段数は47段。

少し横から見るといかに急な階段かがわかると思います。

上から眺めるとこんな感じ。絶壁ですね。

愛宕坂の上から「東京ドーム」方面を遠望。

花菖蒲田

『小石川後楽園』を散策したのは6月中旬。花菖蒲が見頃でした!

ここでは約700株のハナショウブが植栽されているようで、見頃の期間中は間近で観賞できるようにする為、菖蒲田脇に木道が設置されます。

斜めに傾きながら育っている松が面白く写真を一枚。

九八屋

花菖蒲田近くにあった茅葺屋根の休憩所。

不老水

井戸のようなものがあったので近寄って見てみると「不老水」との説明板がありました。干ばつでも水が枯れず、洪水にもあふれ出すことがなかったことから「不老水」と呼ばれているらしい。

稲荷神社

敷地内の赤門の先にあった「稲荷神社」。

内庭

「東門」近くの内庭に到着。スイレンの咲く池と2つの石橋が素晴らしく、絵画の中に入り込んだ気分になります!

唐門

「後楽園」と書かれた扁額が掛けられた「唐門」。私的な庭園である上屋敷の「内庭」と「後楽園」との境にあり、「唐門」をくぐり「後楽園」への向かう正式な入場の門です。戦時中、空襲により焼失してしまいますが、復元工事を行い2020年に一般公開。

「唐門」が復元されたことにより、「東門」が開門することで本来の作庭意図に沿った庭園観賞が可能になったもともあり、「東門」からの入園が推奨されています。

この石橋近くの池の感じが”モネ”っぽいと思いませんか!新緑のリフレクションも素晴らしい。ちょうど木陰になっているので憩えますよ!

散策した6月中旬は、池に咲く睡蓮も見頃。午後になると花は閉じてしまうので、観賞は午前中です!

幹が池の水面に向かって伸びている芸術的な松。意図的にこういう形にしたんですかね。

西門にある涵徳亭(びいどろ茶寮)の入口ににこんなミニチュアが展示されていました。関東大震災によって焼失する前の「清水観音堂」はこんな感じだったんですかね。
見どころ満載の歴史ある大名庭園『小石川後楽園』。次回は紅葉の季節に再訪してレポートしようと思います!

基本情報

・名称:小石川後楽園
・住所:東京都文京区後楽1-6-6
・電話:03-3811-3015
・開園時間:9時~17時
 ※入園は16時30分まで
・休園日:年末年始
・入園料:一般300円,65歳以上150円
 ※小学生以下,都内在住在学の中学生無料
 ※2024年6月時点
・駐車場:なし
・アクセス
〇東門
-JR総武線「水道橋駅」西口から徒歩5分
-丸の内線/南北線「後楽園駅」徒歩6分
-都営三田線「水道橋駅」徒歩8分
〇西門
-大江戸線「飯田橋駅」徒歩3分
-JR総武線「飯田橋駅」東口から徒歩8分
-東西線/有楽町線/南北線「飯田橋駅」徒歩8分
-丸ノ内線/南北線「後楽園駅」徒歩8分