こんにちは。今回は、長野県・美ヶ原高原にある『美ヶ原高原美術館』のレポートです。「美ヶ原」は日本百名山のひとつで、標高2034mの最高峰「王が頭」をはじめ、茶臼山、牛伏山、鹿伏山、武石峰一帯が「美ヶ原高原」と呼ばれています。
そんな高原の一角にある『美ヶ原高原美術館』は、「箱根・彫刻の森美術館」の姉妹館として、1981年に開館した4万坪もの敷地を誇る現代アートの野外彫刻美術館です。
美術館入口
広大な展示場には、約350点もの現在彫刻が高原の斜面に展示されています。
美術館への入口は、日本一高い場所にある道の駅「美ヶ原高原」の中にあります。
入館料は大人1,000円。展示物が多い割には、なかなかリーズナブルな価格設定かと。(2023年8月時点)。チケット購入後、ブリッジを渡り、建物の反対側の高原に整備された野外展示場へ。
作品はこんな感じに、高原の斜面に展示されています。
案内図
とにかく、屋外展示場は広いです。じっくり鑑賞したら、2時間では足りないかも知れません。標高が高いので湿気はなく、風は爽やかですが、紫外線は強いのでご注意。
屋外展示場
晴れた日の眺望は素晴らしく、さすが、”日本一標高の高い美術館”。高原からの景色とアート作品のコラボは美しく、見応え十分!
気になった作品を何点かピックアップして、ご紹介します。
「雲海に立ちて」
本田貴侶 作
作品名からすると、銀色の玉は雲なんですかね。ここも季節によっては、彫刻と雲海の絶景コラボが見られるかも知れませんね。
「スティールの時代」
マーティン・ヴォーゲル 作
ギリシャ神話に出てきそうな力強い像が青空に映えます。奥に見える、黄色いオブジェは、土肥真人氏の作品。
「Wind Dancer」
関 正司 作
風が吹くと、スカートの部分が動きます。何だか雲に向かって飛んで行きそうですね!ね!遠くに見える”しましま”のオブジェは、柴田美千里氏の作品「しまうま」。
「ストント」
窪田俊三 作
「Ovalogy-Cube」
松尾光伸 作
「修道女たち」
トニ・ベネットン作
「Flying Object(隠された形)」
岡本敦生 作
「見牛・得牛」
新関八紘 作
「見牛」と「得牛」で一対の作品。ユニークな作品ですね!これ、禅宗の悟りの境地に至る段階を、牛と牧童の関係に置き換えて示した「十牛」の事らしい。
「親指」
セザール・バルダッチーニ作
インパクト大の巨大な親指!シワが妙にリアルです。この作者自身の親指らしい。
「暦」
杉山惣二 作
ギリシャ神殿みたいな雰囲気の作品。
「愛のモニュメント」
新谷琇紀 作
どの彫刻もみな躍動感がありますね!
左上 フェルナンド・ゴンサレス・ゴルタサル「解体された柱」
右上 加椎 敬將「Long Point 93」
下 青野 正「風壊」
「柱にもたれてアルトを吹けば…..」
黒川晃彦 作
街でもよく見かける黒川晃彦氏のアルトサックス吹きの彫刻。
「風のスイング」
河崎良行 作
曲がりくねった鏡面に映りこむ空や緑が綺麗。高原に吹くよそ風のようです。
「雲の墓標」
大城 智 作
雲で遊ぶ”妖怪”みたいに見えます。
「イヴ」
アレクサンダー・リーバーマン作
女性を表現した作品らしい。オレンジ色が青空にマッチしている大型作品。
「夢遥」
安部 定 作
「逆転の確率」
安藤 泉 作
タイトルから察すると、ライオンの調教師が、ライオンに襲われてしまう確率の事なのかな。
「Distillatuins」
サトル・タカダ作
「パチャママⅠ(インカの大地母神)」
フリオ・エドゥアルド・ゴヤ作
「星のコンパス」
新宮 晋 作
「イリアッド・ジャパン」
アレクサンダー・リーバーマン作
これも、先程登場したアレクサンダー・リーバーマン氏の作品。大型の遊具のように見えますが、美術館のホームページによると、都市の崩壊と再生を表現しているのだそう。
「アサフォ・クラ・ノ」
メルヴィン・エドワーズ氏
「0:01 a.m.」
寺内曜子 作
「モト・ムーア -ヘンリーへのオマージュ」
リック・ブース氏
バットマンが乗っていそうなバイクの彫刻。
「神の化身」
マーティン・ヴォーゲル作
ガンジーみたいなお爺さんが地球?を持っている。
「戦士」
吉田 隆 作
「空相」
関根伸夫 作
「戒」
辻 志郎 作
「メタモルフォーゼ」
鷹尾俊一 作
メタモルフォーゼ…変身、変化の意味です。古い肉体から筋骨隆々に変化している最中なのかな。
「順風」
空 充秋 作
「スズメヲウツノニタイホウヲモチダス」
ベルンハルト・ルジンブール作
「家を創る人々」
安藤宗明 作
シンプルながら、ちょっと惹かれる作品。わかりやすいですね。
「ダイアモンド構造」
後藤良二 作
この方の作品「箱根 彫刻の森美術館」にもありましたよね。ダイヤモンドの分子構造を両手・両足を広げた人をつなげる事で表現しているんですね。
「書斎机の人」
ベルント・アルテンシュタイン作
机と同化して、とろけそうな感じがいい!
「帽子をかぶって」
山田正好 作
これもユニークな作品です。帽子を被った3つの顔が連なった彫刻が、3つ並んでいるのですが、うち2つは、顔に小人がへばり付いています‼
「作品」
エドゥアルド・パオロッツィ作
「聖なるもののリビドー空へ」
本田貴侶 作
「生態学的存在ーセザール頌」
ゲオルギ・チャプカノフ作
よく見ると、足にバッタがとまっています。
「疾走する文化」
フランツェン作
ビーナスの城
野外展示場の一番上まで上っていくと「ビーナスの城」があります。お城の屋上に上がれて、展示場全体を見渡す事ができます。
お城の中に入ると、中には複製の「ミロのヴィーナス」などの彫刻が展示されていました。
「ビーナスの城」の屋上。
屋上からの絶景の眺望!ほんとに素晴らしいロケーションです。
そして、この屋上が『美ヶ原高原美術館』の最高地点。1981mもあるんですね!
冬季は高原を走る「ビーナスライン」などが通行止めになる為、美術館は、4月の下旬頃まで休館になります。今年は9月に入っても、しばらく暑い日が続きそうなので、標高2000mの高原にある美術館に、避暑に行かれてはいかがでしょうか。
基本情報
・名称:美ヶ原高原美術館
・住所:長野県上田市武石上本2085-70
・電話:0268-86-2331
・開館時間:9~17時
・開館期間:4/29~11/5(2023年)
※例年、冬季期間は休館
・入館料:大人/1,000円、大学生・高校生/800円、中学生・小学生/700円
※2023年8月時点
※現金又はQR決済
・駐車場:あり(無料)
※道の駅美ヶ原高原
・公式HP:美ヶ原高原美術館