こんにちは。そごう横浜店6階にある『そごう美術館』へ『霊気を彫り出す彫刻家 大森暁生展』の鑑賞に行ってきました。
今回初めて知ったアーチストの方ですが、実在する生き物、架空の生き物をモチーフにした木彫りの彫刻作品群に圧倒される展覧会でした!
そごう美術館
お馴染みの「そごう美術館」。そごう横浜店の6階にあります。
大森暁生展
今回鑑賞するのは彫刻家「大森暁生(おおもりあきお)展」。鑑賞ガイドによると、1971年東京生まれの方で、96年愛知県立芸術大学卒。霊気が宿るまで徹底的に創り込む彫刻で知られているとの事。会期は2023年7月9日(日)迄。入館料は一般1,000円です。
写真撮影OK
今回の展覧会は、一部を除き、ほとんどの作品の撮影はOK。
「タランチュラの灯華」
入口を入ると、天井から吊るされたタランチュラの灯りがお出迎えしてくれます!
最初の展示室はこんな感じ。初期の頃の作品のようです。
「KAZAKIRI」
「風切りの櫂」
鳥の羽根型のボートのオールみたい!
「カラスの舟は昇華する」
今回の展覧会の中で、気に入った作品のひとつで、個人的には一番インパクトが強かったです。卒業製作の作品らしいですね。カラスの足の部分が迫力ありますよ!
次の展示室へ。
「翼霊」
何となく宗教っぽい雰囲気に惹かれる作品です。タイトルが「翼霊」と言うのがいいですね。足がなく、手が翼になっている精霊?でしょうか。
「翼霊」
この作品名も「翼霊」。こちらは手が翼になっているのがハッキリわかります。
「KAZAKIRIのヒール」
「羽根を残して」
羽根とハイヒール、羽根と卵…。羽根が印象に残る作品がたくさんありました。
「月夜のJackalope」
鹿のツノのようなものが生えているウサギ。
「月光の狼」
「ぬけない棘の狼」
一角獣のようなツノがはえた狼。作品タイトルは”ぬけない棘”になっていますね!鑑賞ガイドを見ると、狼の頭に何か象徴的なものを付けてみたいと思い立ったのが、作品製作のきっかけだったようです。
「Swan in the frame」
彫刻を鏡にはめ込みフレームの外の景色を取り込む事をコンセプトにしたシリーズ作品のひとつ。これ面白い。白鳥の体半分は手前に作りこまれたものを鏡が映しているんですね。
「Eagle’s hearts」
ブロンズと鉄で製作された作品。鳥はツバメなのですが、作品全体をよ~く見て見ると、影がイーグル(鷲)になっていますね!
大森暁生氏の代表的作品がディスプレイされた展示室へ。
「ぬけない棘のエレファント」
大迫力のツノのはえたゾウ2体。先程の狼の作品と同じ”ぬけない棘のxxx”シリーズのようです。これ、なかなかリアルに彫られています。
ゾウのドローイングの作品展示もありました。
「月夜のテーブルーCougarー」
月夜の晩に水場に水を飲みに来たクーガーですかね。青く深そうな水場に吸い込まれそう。展覧会の会場内には、大森暁生氏の言葉が紹介されており、その中から印象的だったものを一つご紹介しておきます。
「自分にとって動物は愛でる対象ではありません。風のように空高く飛び、稲妻のように地を蹴り、波の如く大海原を自由に泳ぐ、人間には真似できない”超”能力への敬意と憧れ、それに尽きます。」
「死に生ける獣ーBabirusa」
これは実在する動物「バビルサ」をモチーフにした実在しない獣。長く伸びる2本のツノが実在の「バビルザ」に付けられて、くるっと丸まった牙?は実際に生えているようです。
「Two Anacondas trapped in the frame」
この作品も今回の展覧会の作品の中で気に入ったもののひとつ。彫刻を鏡にはめ込んだシリーズ作品です。思わず見入っしまう向かい合う2匹のアナコンダ!フレームに巻き付いているところもいいですね。こんなのに絞められたくないなぁ。
「吸血夜」
このコウモリは吸血コウモリ!
「Gothic lunatic」
場所変わって、次の展示室。これはフジテレビのドラマ「ルパンの娘」に実際に使用された作品らしい。バロックっぽいデザインの彫刻が目を引きます。
”but beautifulⅡ”「スカート部分」
2005年のパリコレクションで発表された作品で、スカートの部分が大森暁生氏の製作らしい。このスカート、木で作られているんですかね⁉
「天使のトルソ」と「デビルのトルソ」
「天使」と「悪魔」をイメージした可愛らしいトルソ。
薬瓶シリーズ
世の中には存在しない薬を入れる瓶をテーマにした作品群。ジョークが効いていて面白い。例えば、カエルの瓶は、高く跳ぶための薬、ピエロの瓶は笑えるようになる薬だって。
「月夜のテーブルーArowanaー」
「月夜のテーブル」シリーズ。これはアロワナですね。丸いガラステーブルの下に映ったアロワナの影が美しい。
ここは犬たちの彫刻のコーナー。殺処分ゼロを目指し活動している熊本市動物愛護センターを取材して製作した作品群なのだそう。
このわんこ達の彫刻は「光の肖像」と呼ばれるシリーズ。身寄りのないわんこのせいか、虚ろな表情をしているのが気になりますが、殺処分ゼロの施設との事なので、この子らは、どなたかに貰われていったのかも知れませんね。
「不死の華」
2016年製作の鏡を使ったシリーズ作品。展示会のポスターに使われていますね。
「森神ーSilver backー」
作品のネームプレートを見ると2023年と書かれていたので新作なのかと。これはスゴイ!Silver Backって何だろうと思い、調べてみると、成熟した雄のゴリラの背に灰色の毛が鞍形に発達した状態の事らしい。灰色の毛どころか、尖った金属が突き出てきているので、山神に間違いない!狼やゾウの頭からツノの生えている作品からスケールアップしていますね。
展覧会の会期は残り少ないのですが、興味ある方は、今週末ぜひ『そごう美術館』へ。なお、過去『そごう美術館』で鑑賞した展覧会は、以下ご参照下さい。
基本情報
・名称:そごう美術館
・住所:横浜市西区高島2-18-1
・電話:045-465-5515
・営業時間:10~20時
・休館日:そごう横浜店の休館日
※展示替え期間も休館
・入館料:展覧会により異なる
・駐車場:そごう横浜駐車場(有料)
・公式HP:SOGO MUSEUM OF ART
・アクセス:「そごう横浜」入口まで
‐JR線/京浜急行線「横浜駅」 徒歩3分
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-相鉄線/市営地下鉄「横浜駅」徒歩10分