こんにちは。関東総鎮護『大山阿夫利神社』と『大山寺』参拝に行ってきました。
古くから庶民の山岳信仰の対象とされた標高1,252mの「大山(おおやま)」にご鎮座する古社です。「大山」は『大山阿夫利神社下社』付近まで、ケーブルカーが運行している事もあり、登りやすい山として人気です。
案内板
『大山阿夫利神社』は、大山の頂上に「本社」、中腹に「下社」があります。
ちなみに頂上までの所要時間は、麓の駐車場から、休憩しながら登ったとして2時間30分~3時間くらい。
市営大山第2駐車場近くの案内板。各地点までの所要時間は、こんな感じです。
まだケーブルカーも運行していない時間帯での参拝の為、「下社」までは歩いて登っていきます。今回は「大山」頂上の本社までは行かず、「下社」参拝後、下山する”プチ・トレッキング”にしました。
登山客、参拝客が多い割には、駐車場が少ないのが難点。土日祝日は、朝早い時間帯に満車になってしまいます。ちなみに、登山口に一番近い「市営大山第2駐車場」は、週末土曜の朝7時には満車だったので、すぐ近くの民間コインパーキングに駐車。なお、駐車場が非常に狭く、バックで入らないと駐車できない場所もあります。
御神燈
大きな「御神燈」を左手に見ながら進んでいきます。
こま参道
「こま参道」の入口に到着。参道の名前は、伊勢原市に伝わる「大山コマ」から名付けられたのだろう。
大山コマのタイル
「こま参道」から「大山ケーブル駅」までは徒歩10~15分程度。ところどころに踊り場がある石段をずっと上がっていきます。踊り場は全部で27か所。そこには「大山コマ」が描かれたタイルが埋め込まれており、何番目の踊り場にいるのか、わかるようになっています。
ちなみに「こま参道」の階段は、全部で362段。
女坂の七不思議
『大山阿夫利神社下社』までの徒歩ルートには、「男坂」と「女坂」があります。
所要時間の差は、10分程度なのですが「男坂」ルートはひたすら登るだけ、「女坂」ルートは、”女坂の七不思議”と「大山寺」参拝など、見どころが多い為、上りは「女坂」、下りは「男坂」を選択。
大山とうふ
参道にはお土産屋さんや食事処が立ち並んでいますが、「大山とうふ」が有名なので、とうふ料理のお店が何軒か。「和仲荘」さんは、大山とうふ料理誕生の店なのだそう。
「こま参道」最後の27番目の踊り場に到着。「大山ケーブル駅」はすぐそこです。
大山ケーブル駅
大山ケーブルカーの麓の駅「大山ケーブル駅」。「阿夫利神社駅」まで約6分。徒歩だと30~40分なので全然違いますね。徒歩だと、ほとんど登山コースを進む事になるので、特にお年寄りの方には力強い味方です。
男坂・女坂
「男坂」と「女坂」の分岐点に到着。
男坂
「男坂」の入口はこんな感じ。階段がかなり急です。
帰りに「男坂」を下ってきた時の写真。階段の形にはなっていますが、段差が大きく、つまずいて転んだら、下まで転がって大怪我しそうですね。翌日、筋肉痛必至の階段。
女坂
と言う事で、「女坂」をゆっくりと進んで行きます。途中見るべきものもあるし。ただ、「下社」直下のあたりは、「女坂」でもキツイ登りが続きます…。色々見ながら登っていくので、『阿夫利神社下社』到着は1時間後くらい。
新緑が綺麗な登山道を進んでいきます。
登山道脇の苔むす石仏。
こういう風情あるものが「男坂」には無いので、行きは「女坂」で正解!
子育て地蔵
『阿夫利神社下社』に辿り着くまでの道中にある「女坂の七不思議」。その中から何点かピックアップしてご紹介します。
上の写真は「子育て地蔵」。最初は普通のお地蔵様として安置されたが何時の頃からか顔が”わらべ”に変わり、この地蔵に祈ると子供がすくすくと丈夫に育つと言われているとか。
爪切地蔵
弘法大師が道具を使わず、一晩のうちに手の爪で彫刻されたと伝えられている。何事も努力すれば実現できるとの教えのようです。
眼形石
この仏像が載っている、人の眼の形をした石に、手を触れてお祈りすれば、不思議に目の病が治ると伝えられているそう。
大山寺・前不動堂
「雨降山大山寺・前不動堂」に到着。
「大山寺」は、奈良の東大寺を開いた良弁僧正が天平勝宝七年(755年)に開山したと云われる古いお寺です。
大山は、別名「あめふり山」とも呼ばれ、古来より雨乞い信仰の地としても親しまれてきたとの事。
「前不動堂」の隣りにある「倶利伽羅堂」。
青もみじが綺麗な登山道をさらに登って「本堂」へ向かいます。
「本堂」へ向かう階段。階段両脇に佇む「三十六童子」像、階段中央の「石灯籠」がいい雰囲気です。
このあたりは”紅葉スポット”として知られており、シーズン中は多くの観光客で賑わいます。「三十六童子」と紅葉のコラボが絵になるんですね。
様々な表情・格好の童子たち。思わず、見入ってしまいます。
大山寺・本堂
「本堂」到着。
〇大山寺 概要
・山号:雨降山
・宗派:真言宗大覚寺派
・創建:天平勝宝七年(755年)
・本尊:不動明王
行基菩薩の高弟である光増和尚は、開山良弁僧正を継いで、大山寺二世となり、大山全域を開き、その後、大山寺第三世として弘法大師が、数々の霊所が開き、霊地信仰を確立したとの事。(引用元:雨降山大山寺HPより)
「女坂」を登ってきた、ほとんどの方が、ここで休憩。奥深い山の中の静かなお寺です。
宝篋印塔
「本堂」横に建つ大きな塔が立派で、写真を一枚。塔のまわりを3回まわると願いが叶うと云われているそう。
『大山寺』を後にして、再び登山道へ戻ります。「下社」までの最後の上りが結構キツイ。
『大山阿夫利神社』の鳥居が見えてきました。最後の階段を上ります。
『阿夫利神社 下社』に到着。非常に気の良い場所です。
「下社」の標高は725m。400m以上登ってきました。
振り返るとなかなかの絶景!
お馴染み”無事かえる”の石像が可愛らしく、写真を一枚。
「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」改訂第4版に「大山阿夫利神社からの眺望」が”2つ星”で紹介されています。
大山阿夫利神社・下社
〇御祭神
・大山祗大神(おおやまつみのおおかみ)
・高おかみ神(たかおかみのかみ)
・大雷神(おおいかずちのかみ)
〇ご由緒
創建は、今から二千二百余年以前の人皇第十代崇神天皇の御代と云われる古社。奈良時代以降は神仏習合の霊山として栄え、人々の心の拠り所となり、国を護る山・神の山として崇められる。江戸時代には「大山詣り」が、庶民の間で人気を博し、隆盛を極める。(引用元:大山阿夫利神社HPより)
まだケーブルカーが運行していない時間帯に登ってきたので、人もまばら。ほとんどが「大山」山頂まで登山する方です。参拝を終え、境内を散策します。
獅子山
富士山の溶岩を使って、造られた「大山獅子」。大きくて立派ですね。「日本三大獅子山」と彫られていますが、残り二つはどこなのだろうか。
日本遺産「大山詣り」
「大山詣り」が日本遺産に認定された事を記念した像でしょうか。像が手にしている”スキー板”のようなものは木刀。昔、源頼朝が平家打倒のために挙兵する際、『阿夫利神社』に太刀を納めたと伝えられている事が、庶民にも広く知られ、競って、木刀を奉納する事が流行ったそう。最初は小さかった木刀が、より立派なものを納めたいとの風潮となり、こんなに大きくなってしまったようです。
境内奥に「大山」頂上への登山口があります。上り90分、下り60分。
子供の頃、一度登った事がありますが、今回はパス。「本社」参拝は、また次回です。
境内社には「天満宮」も。合格祈願の看板が目立ちますね。
大山名水
本殿下の巡拝道にある神泉「大山名水」の入口。
拝殿の左側に入口があるのですが、存在に気がつかない参拝者の方も多いようです。
龍の口から流れ出る”御神水”を持参した容器に入れて、持ち帰ります。
「大山名水」ラベルの空の容器も社務所で購入可能。
巡拝道には、他にも「一礼来福」や「ぼけ防止の守護神」などの像が御鎮座。本殿の下、地下道に安置されています。
久しぶりの『大山阿夫利神社』参拝は、これにて終了。
次回は秋晴れの日に、紅葉狩りをしつつ、大山頂上まで登山したく思います。
基本情報
〇大山阿夫利神社
・住所:神奈川県伊勢原市大山355
・電話:0463-95-2006
・駐車場:なし
※麓の市営駐車場等を利用
・HP:http://www.afuri.or.jp/
〇大山寺
・住所:神奈川県伊勢原市大山724
・電話:0463-95-2011
・駐車場:なし
※麓の市営駐車場等を利用
・HP:https://oyamadera.jp/
市営駐車場について
・市営大山第2駐車場:普通車/44台、二輪/6台
→普通車/1回1000円、二輪/1回200円
・市営大山第1駐車場:普通車/84台、二輪
→普通車/1回600円、二輪/1回200円
※2022年6月時点
アクセス
〇小田急線
『伊勢原駅』よりバス約25分
「大山ケーブル駅(終点)」下車
Google Map