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ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

『鎌倉・大町』探訪【上行寺・安養院・八雲神社・常栄寺】

こんにちは。鎌倉市・大町のお寺と神社を巡る散策に行って来ました。
鎌倉のお寺は武家文化を象徴する質実剛健なものが多く、きらびやかさは少ないもののシンプルで落ち着いた雰囲気が魅力的。
今回は、そんな鎌倉のお寺の中においても、さらにマイナーな場所を巡ります。細い路地裏の神社仏閣巡りは、鎌倉観光の醍醐味でもあります。

上行寺・本堂

・創建:正和二年(1313年)
・山号:法久山
・宗派:日蓮宗
・本尊:三宝祖師

上行寺の本堂。鎌倉のお寺としては、かなり異質。所謂、観光の為のお寺ではありませんが、癌封じをはじめ、万病平癒にご利益があることで知られています。
ここのご住職かお寺の関係者の方が製作されたであろう”看板”が、怪しくもあり、目を引きます。「※おまいりは幸福の源です」がいいですね。七福神の置物もいい味を出しています。
ここにに祀られているご本尊の三宝祖師は、眼病や認知症、成人病にご利益があるそう。

除災の龍

日光東照宮の眠り猫を彫ったとされる江戸時代の伝説の彫物師、左甚五郎作とされる「除災の龍」。山門の上から睨みをきかせています。わざわざ、手書きの案内プレートまでこしらえているのが面白い。サービス精神旺盛な住職なのだろうか。

上行寺・守護堂

瘡守稲荷(かさもりいなり)と身代わり鬼子母神が祀られている守護堂。

ここも”手書き看板”のパワーが炸裂していますね。一瞬、「ここは大丈夫なんだろうか?」とも感じてしまう程のインパクト。

お賽銭箱に貼紙があり、「お経中でも、お堂の中でご自由にお参り下さい」と書かれています。アットホームなお寺のようですね。
守護堂は、特に癌封じのご利益があるとされ、遠方より来られる方も多いようです。
尚、拝観は無料です。

『上行寺』の拝観を終え、道路を挟んだ向かいにある『安養院』へ移動します。

安養院

『上行寺』の向いにある『祇園山 安養院 田代寺』。地味なお寺ですが、こじんまりとした静かな雰囲気の境内です。坂東三十三観音第3番札所、またツツジの名所としても知られています。ここは境内での撮影は禁止の模様。尚、拝観料は100円、山門に置かれた志納箱に納めて、拝観します。(2022年2月時点) 

八雲神社

『安養院』から徒歩2分程度、閑静な住宅街の路地裏にある、鎌倉最古の厄除け神社『八雲神社』。地元では「八雲さん」や「お天王さん」などと呼ばれ親しまれているとの事。
一の鳥居、二の鳥居をくぐり、拝殿へ向かいます。

〇御祭神
・須佐之男命、稲田比売命 八王子命
〇ご由緒
創建は永保年間、新羅三郎義光が、鎌倉に疾病が流行しているのを見て、京都祇園社の御祭神を勧請し、祀ったのが始まりとされている。元々、「鎌倉祇園社」や「祇園天王社」などと称していたが、明治時代に現在の社名に改称したとの事。

新羅三郎手玉石

御神木の根元に置かれた「新羅三郎手玉石」。よく神社の境内にある、力試しに用いられた”力石”と同じものかと思いますが、新羅三郎義光は、剛力だったと言う事だろうか。尚、鎌倉には『八雲神社』が4か所もあり、ここは『大町の八雲神社』。

参拝を終え、『常栄寺』へ向かいます。

常栄寺

『八雲神社』から徒歩1分もかからず、『常栄寺』に到着。別称である「ぼたもち寺」と書かれた朱色の看板が、やけに目立っています。思わず立ち止まり、拝観したくなる雰囲気がありますね。尚、拝観は自由です。

なぜ、”ぼたもち寺”なのでしょうか。
立正安国論を説いた宗教活動等により、鎌倉幕府に捕らえられ、処刑される事となった日蓮が、龍ノ口の刑場(藤沢市・龍口寺)に送られる途中、ひとりの老婆「桟敷の尼」が日蓮に胡麻入りのぼた餅を捧げた事が、”ぼたもち寺”の由来。
また、刑執行の時、江ノ島の方角から、強烈に光る物体が現れ、これに恐れをなした関係者は刑を中止として、日蓮は奇跡的に、処刑を免れたと云われています。
その後、老婆が渡したぼたもちは「首つなぎぼたもち」と語り継がれているとの事です。

・山号:慧雲山
・宗派:日蓮宗
・本尊:三法祖師
・創建:慶長十一年 (1606年)

沢山の草木に囲まれたこじんまりとした境内。所謂、”観光のお寺”では無いので、静かですね。ここも『八雲神社』同様、住宅街の路地裏沿いにあります。

”ぼたもち”って漢字で書くと”牡丹餅”なんですね。牡丹の花に似せてつくっている等、呼び方について、諸説あるようですが、”ぼたもち”と”おはぎ”って、何が違うのだろうと言う疑問が湧いてきました。春秋のお彼岸のお供え物として、春は”ぼたもち(牡丹餅)、秋は”おはぎ(御萩)”、同じものなのですが、季節の花によって、呼び方が異なる説が、個人的には一番しっくりきています。
他に、二口程度で食べられる小さいものを”おはぎ”、それより大きいものを”ぼたもち”とか、こし餡を使ったものを”ぼたもち、つぶ餡を使ったものを”おはぎ”など、色々な説があるようです。

今回の『鎌倉・大町』探訪はこれにて終了。
周辺にはまだまだマイナーなお寺があるので、また次回、紹介します。

基本情報

〇上行寺
・住所:鎌倉市大町2-8-17
・電話:0467-22-5381
・駐車場:なし
〇安養院
・住所:鎌倉市大町3-1-22
・電話:0467-22-0806
・駐車場:なし

〇八雲神社
・住所:鎌倉市大町1-11-20
・電話:0467-22-3347
・駐車場:なし

〇常栄寺
・住所:鎌倉市大町1-12-11
・電話:0467-22-4570
・駐車場:なし

アクセス

〇JR横須賀線・江ノ島電鉄
『鎌倉駅』下車、徒歩10~12分
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