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ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

【鎌倉・海蔵寺】源氏山麓に佇む「花の寺・水の寺」へ

こんにちは。今回は、鎌倉の『海蔵寺』の参拝レポートです。
扇ガ谷の谷戸の一番奥に位置する『海蔵寺』は、「鎌倉駅」から離れている事もあり、参拝者で混雑する事もなく、静かで落ち着いた雰囲気の中、ゆったりと参拝できるお寺です。こじんまりとした境内で、広くはありませんが、四季を通じて、花々を楽しむ事が出来、境内付近に二つの井戸がある事から「花の寺」とも「水の寺」とも呼ばれています。

参道入口

「鎌倉駅」から徒歩20分弱、閑静な住宅街の突き当り、源氏山の麓にひっそりと佇んでいるお寺です。参拝したのは12月上旬。参道の紅葉が見頃でした。

底脱の井(そこぬけのい)

鎌倉十井のひとつ「底脱の井」。苔むした縁が、風情ありますね。
「底脱の井」は、境内に入る前の参道脇にあります。中世の武将 安達秦盛の娘・千代能が、ここに水を汲みに来た時、水桶の底がすっぽりと抜けてしまった事を「千代能がいだく桶の底抜けて水たまらねば月もやどらじ」と詠んだ為、「底脱の井」との名前がついたらしい。

山門

山門をくぐり、境内へ。
『海蔵寺』の山号は扇谷山、臨済宗建長寺派の寺院です。建長五年(1253年)、宗尊親王の命により、藤原仲能が創建、鎌倉幕府の滅亡時に焼失してしまうも、応永元年(1394年)、足利氏満の命により、上杉氏定が再建。なお、本尊は薬師如来です。

拝観は「十六の井戸」の拝観料として一人100円。(2023年2月時点)

鐘楼

「鐘楼」付近の紅葉も見頃。真っ赤に染まったもみじと鐘楼のコラボがいい雰囲気。

薬師堂

お堂の内部が土間の「薬師堂」。シンプルな造りが印象的です。正面の仏壇に並ぶ薬師三尊像が美しいですね。海蔵寺略縁記によると、開山禅師が毎晩、お寺の裏の山から、赤子の泣き声が聞こえてくるのを不思議に思い、その場所を掘ってみると、薬師如来の顔が発掘され、その後、新たに薬師如来像をつくり、発掘された顔を薬師如来像の胎内に納め祀る事にしたらしい。胸中の薬師如来は、六十一年目に開帳するのを慣わしとして、今日に至る。

本堂

黒っぽい色の扁額に妙に惹かれました。『海蔵寺』の文字も力強く感じます。

石庭

非公開ですが、本堂の裏手に広がる石庭。

本堂近くには苔むした美しいエリアも!

やぐら群

そして、『海蔵寺』の見どころの一つ「やぐら群」。本堂左横の小山につくられています。「やぐら」は、すぐ近くで見学する事ができますよ。

赤い鳥居のある「やぐら」が「雨宝殿」。宇賀福神が祀られているとの事です。

十六井戸

「十六の井」とも「十六井戸」とも呼ばれている水が湧き出ている岩窟を見に行きます。手掘りでつくったと思われるトンネルの先にありますが、スゴイ場所ですね。

岩壁にぽっかりと空いた穴の中に「十六井戸」があります。

岩窟の中を覗くとビックリ!
床面には縦横に各4列、計16個の丸い穴が開いており、その穴から水が湧き出しています。これが「十六の井」や「十六井戸」と呼ばれるようになった由来なんですね。
正面の岩壁には観音菩薩像と弘法大師像が安置されています。ここは井戸ではないように見えますが、一体何なのか、正確な事は不明らしい。
ただ、海蔵寺略縁記によれば、16と言う数は、「十六大菩薩」を表現し、湧き出る水は”金剛功徳水”と名付けられていたとの伝承がある事から、霊験あらたかな場所であった事は間違いないのかと。何ともミステリアスな雰囲気の漂う不思議な場所です。一見の価値がありますよ!

垣根の中から、ひょっこりと顔を出した石仏が可愛らしく、写真を一枚。

これにて『海蔵寺』参拝は終了。
この日は、天気も良かったので、もう1か所散歩する事に。

源頼朝像

『海蔵寺』からの帰りがけに立ち寄った「源氏山公園」の源頼朝像。
多少、山道を登りますが、『海蔵寺』から徒歩10分くらいで着けるかと。「源氏山公園」を散策した後は、「葛原岡神社」や「銭洗い弁財天宇賀福神社」「佐助稲荷神社」の神社巡りに行くのが”おすすめコース”です。どの神社も源頼朝像から徒歩10~15分程度のアクセスです。

基本情報

・名称:海蔵寺
・住所:神奈川県鎌倉市扇ガ谷4-18-8
・電話:0467-22-3175
・拝観時間:9時30分~16時
・拝観料:100円十六ノ井の拝観料)
 ※2023年2月時点
・駐車場:あり
・アクセス
 -JR横須賀線「鎌倉駅」徒歩20分