ぶらりうぉーかー

ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

【堀切菖蒲園】都内屈指の花菖蒲の名所へ

こんにちは。東京・葛飾区堀切にある『堀切菖蒲園』のご紹介です。
駅名が園の名前になっているくらい堀切と言えば、菖蒲園。ここの菖蒲園は江戸時代にまで遡る歴史ある場所で、歌川広重の浮世絵にも登場する名所です。例年の見頃は5月下旬から6月中旬。約200品種、6,000株のハナショウブが咲き乱れます!

『堀切菖蒲園』は、京成線「堀切菖蒲園」を下車、徒歩10分ほどです。改札を出て菖蒲園までの案内板に従い閑静な住宅街を抜けて行きます。

園内入口

住宅街を抜けると『堀切菖蒲園』入口に到着。例年ハナショウブの咲く頃は「菖蒲まつり」が開催されます、2024年は5月27日(月)から6月16日(日)まで。
なお『堀切菖蒲園』に専用駐車場はありません。車の場合は近くの荒川河川敷にある「堀切橋駐車広場」を利用するのが良いかと。(有料、2024年時点、1回500円)

堀切は「江戸花菖蒲」発祥の地。地理的に湿地が多かった堀切は、花菖蒲の栽培に適していたんでしょうね。室町時代から栽培がさかんになったとの説もあるようです。

園内案内図

園内はそんなに広くはありませんが、コンパクトに良くまとまっています。なかなか見応えがある割には、入園無料は有難い!ハナショウブの時期は午前8時から開門されますので、特に混雑する週末は朝一の散策がおススメです!
管理事務所のある建物には「静観亭」と呼ばれる1階に喫茶コーナー、2階に有料で利用可能な客室があります。

園内の雰囲気

『堀切菖蒲園』の石碑に”新東京名勝選外十六景”と刻まれてあるのが気になり、調べてみました。1930年代、当時の報知新聞が主催し市民の投票で選ばれた「新東京八名勝」には入らなかった観光地を十六景としてまとめたようですね。

ハナショウブについて

「ハナショウブ」「カキツバタ」「アヤメ」の違いを解説したパネルと「花菖蒲の系統」解説したパネルがあったのでご参考。しかし、ぱっと見で見分けるのは難しいですよね。

堀切三姉妹

公園管理所職員が作出して、2022年に新花登録したハナショウブらしい。まだ園内に栽培されていないみたいですが、そのうちデビューするのでしょうね。
「堀切の祭」「堀切の舞」「堀切の君」の3種類があり、”堀切三姉妹”と命名されています!

早速、園内を散策。6月4日時点でこんな感じの咲き具合。生育が良いせいなのか随分とボリューム感のある菖蒲田で、まさに今が見頃。湿地にかかる木造の太鼓橋や枝ぶりの良い松が点在する、とても風情ある庭園です。

リーフレットによると、堀切地区のハナショウブは、文化年間(1804~1818年)に、この地に住む伊左衛門によって栽培されたのが始まりと伝えられています。

江戸末期から明治時代にかけて「小高園」「武蔵園」「吉野園」など複数の菖蒲園が開園しますが、第二次世界大戦の影響により、花菖蒲田は水田となり、相次いで閉園を余儀なくされ、戦後復興を果たしたのは「堀切園」だけだったとの事。
その後、「堀切園」の一部を東京都が入手、1960年に都立公園として整備し、1975年に葛飾区に移管、現在に至っています。

それにしても色々な種類がありますね~。この園に咲いているのは「江戸花菖蒲」の系統が多いのかな。先程の解説パネルにも集団で植える事も「江戸系」の特徴らしいのですが、菖蒲田のボリューム感があるように見えるのはその為か…。

句碑

「花菖蒲かがやく雨の走るなり」と刻まれた句碑。中村汀女氏が詠んだ句らしい。

休憩所と菖翁花エリア

園内奥の休憩所の向こう側に池がありますが、このあたりが「菖翁花」エリアらしい。ここには、江戸時代後期に花菖蒲の発展に多大な功績を残した、旗本の松平左金吾定朝が作出した品種が植えられています。自らを菖翁と名乗っていたので、作出したハナショウブも「菖翁花」と呼ばれることになったのだそう。

全体的には紫色系統の品種が多いかと思いますが、紫色の濃淡や柄などが皆それぞれ違います。ハナショウブは数千種類以上も品種があるようです。

今回の散策で一番気に入ったハナショウブ「ピンクフロスト」。淡い綺麗なピンクですね!アメリカ系の品種みたいです。これはアメリカで品種改良されて作出された「江戸系」のハナショウブってことなのかな。

初夏も終わりに近づき、梅雨前のジリジリと暑い夏日に、何となく涼し気な色の品種をアップで!気持ち良さそうに咲いていますな。

番付表

人気投票によって決めた『堀切菖蒲園』に咲くハナショウブの番付表がありました!上の写真は昨年の番付のようですが、今年も行われるようなので、もし菖蒲園に行かれるのであれば、参加されてみてはいかがでしょうか!

休憩所の脇にガクアジサイが咲いていました。紫陽花もだいぶ開花が進んできましたね。ハナショウブとの競演がしばらく見られそうです。
今週末には2日間限定でライトアップイベントも開催される『堀切菖蒲園』。歴史ある菖蒲園をぶらり散策されてはいかがでしょうか。
 ※菖蒲園のライトアップ:2024年6月7日(金)、8日(土)19時~21時(準備の為、18時に一時閉園)

基本情報

・名称:堀切菖蒲園
・住所:東京都葛飾区堀切2-19-1
・電話:03-3694-2474
 ※公園管理所
・営業時間:9時~17時
 ※6/1~6/25は8時~18時
・休園日:年末年始(12/29~1/3)
・入場料:無料
 ※2024年6月時点
・駐車場:なし(荒川河川敷駐車場利用・有料)
 ※堀切橋駐車広場(1回500円/2024年時点)
  土日祝は営業,平日は菖蒲まつり期間の頃のみ営業
・アクセス
-京成線「堀切菖蒲園駅」徒歩10分