こんにちは。今回は東京都墨田区にある『横網町公園』の散策録です。
関東大震災と東京大空襲で亡くなった方の遺骨を納めた『東京都慰霊堂』がある都立公園として知られており、毎年、関東大震災が発生した9月1日と東京大空襲のあった3月10日には大法要が行われます。
北門入口
今回は公園の北門から入ってみました。公園は見学自由です。
園内案内図
公園の全体図はこんな感じ。入口は全部で5カ所あります。エリアは大きく分けると3つあり、「東京都慰霊堂」「東京都復興記念館」そして「日本庭園と平和祈念の碑のエリア」。まずは「東京都慰霊堂」を散策。
東京都慰霊堂
東京都の歴史的建造物に選定されている『東京都慰霊堂』。
関東大震災の遭難者の御遺骨を納めるための霊堂として、1930年(昭和五年)に完成した建物で、当初は「震災記念堂」と呼ばれていました。その後、東京大空襲で亡くなった方の遺骨も納める事になった事から、お堂の名称を「東京都慰霊堂」と改称。震災と戦災合わせて約163,000体の御遺骨が安置されているとの事です。
(引用元:都立横網町公園ホームページより)
建物のデザインがユニークです。正面は神社仏閣風なのですが、納骨堂のある三重塔の部分は、中国・インド風の建築様式を取り入れているようです。
2023年は関東大震災から100年目のメモリアルイヤー。
建物内部はこんな感じです。見学は無料、無宗教の施設です。
東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑
「東京都慰霊堂」の斜め向かいにある大きな花壇は「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」。斜面に植栽された草花は、生命を象徴しているとの事で、碑の内部には東京空襲で犠牲になった方々の名簿が納められているらしい。毎年、東京大空襲のあった3月10日、関東大震災が発生した9月1日には、内部を公開しています。
日本庭園
「平和を祈念する碑」の裏手に広がっている日本庭園。関東大震災の時、「清澄庭園」などの都内の庭園が防災の役割を果たし、多くの人命を救った事から、『横網町公園』も、そのような設計になっているらしい。
東京都復興記念館
関東大震災の悲惨な災害を後世に伝え、東京を復興させた大事業を記念するために、1931年に建てられた「東京都復興記念館」。関東大震災の被災品や資料の展示の他に、東京大空襲関連の資料やパネル等も展示されています。よ~く見ると入口の上部に”怪獣のような像"が造り込まれていますね!入館は無料です。
屋外ギャラリー
館内に入る前に、まず屋外ギャラリーを見学します。関東大震災が引き起こした猛火による被災品が展示されています。
前衛的なアート作品に見えなくもないですね。震災により破壊されたり、火災の高熱で変形してしまった鉄柱や鉄管などが展示されています。
館内の展示品。焼け焦げた自転車やタイプライターなど、被災した多くの日用品・事務用品が展示されています。
炭化してしまった洋菓子と古銭の焼塊。
これは関東大震災の火災によって焼野原と化した東京の写真かと思いますが、黒焦げになったトタンが木に引っ掛かっているのを、そのままの形で残したものを展示しているんですかね。
震災遭難児弔魂像
『横網町公園』のホームページによると、関東大震災により都内の小学校児童約5000人が亡くなり、その冥福を祈る為に弔魂碑建立を企画し、寄付を募ったとの事。
集まった寄付により、彫刻家小倉右一郎氏に製作を依頼。その後、戦時中に金属回収の対象になってしまいますが、1961年に、小倉右一郎氏の高弟である、津上昌平、山畑阿利一によって、小倉右一郎氏が製作した群像を模して、再建されたとの事です。
幽冥鐘
関東大震災により、命を落とした方々を追悼する為に、中国仏教徒から寄贈された鐘。
木々の間からスカイツリーが見えるロケーションの『横網町公園』。
「両国駅」の近くにあり、公園から「両国国技館」も徒歩4分ほどの距離です。両国散策をする際は、ぜひ「震災」と「戦災」のメモリアルパークに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
基本情報
・名称:横網町公園
・住所:東京都墨田区横網2-3-25
・電話:03-3622-1208
・入園:見学自由
※東京都慰霊堂の開堂9~16時30分
1/2及び1/3は10~15時、定休日12/29~1/1
※東京都復興記念館の開館9~17時
休館日毎週月曜日及び年末年始月曜祝日の場合は翌火曜日休館
・駐車場:なし
・公式HP:都立横網町公園
・アクセス
-JR「両国駅」徒歩約10分
-都営大江戸線「両国駅」A1出口徒歩2分