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ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

【船津胎内樹型(無戸室浅間神社)】賽銭箱の後ろに洞穴がある「胎内神社」

こんにちは。今回は山梨県・河口湖近くにある『無戸室浅間神社』のご紹介です。
この神社のもうひとつの名称が『船津胎内樹型』。昔、富士山からの溶岩流にのみ込まれた木々が、溶岩が固まる際に焼失、その木々の型が空洞化して洞穴になったものです。この洞穴の上に神社が建てられており、”胎内めぐり”が出来る珍しい神社なのですが、参拝と言うよりも、ちょっとスリリングな”プチ探検”と言えるかも知れませんね。

河口湖フィールドセンター

『船津胎内樹型(無戸室浅間神社)』の拝観(胎内めぐり)は有料。神社のすぐ近くにある「河口湖フィールドセンター」で拝観料を支払います。なお、拝観料は高校生以上200円、小・中学生100円。(2023年10月時点)

「河口湖フィールドセンター」には、溶岩と樹木がつくり出した不思議な形の樹型が展示されています。時間のある方は、ちょっと覗いてみて下さい。

船津胎内樹型

国指定の天然記念物『船津胎内樹型』。富士山世界遺産の構成資産のひとつでもあります。1000年以上前の噴火により流出したとされる「剣丸尾溶岩流」によってつくられた溶岩樹型は、樹木が燃え尽きて空洞になった跡が、人間の胎内に似ている事から「御胎内」と呼ばれ、信仰の対象となり、「胎内めぐり」が行われるようになったとの事。

無戸室浅間神社

『無戸室浅間神社』の御祭神は浅間大神・木花開耶姫(このはなさくやひめ)。
17世紀初め、長谷川角行が富士登拝時に『船津胎内樹型』の一部を発見し、洞穴内部に浅間大神を祀ったのが、『無戸室浅間神社』の始まりらしく、その後、1673年(延宝元年)に富士講の信者であった村上七右衛門が富士登拝時、『船津胎内樹型』の最も大きな溶岩樹型を発見。後に『無戸室浅間神社』の社殿が建立されたとの事。
江戸時代に富士講信者によって発見された溶岩樹型は、多くの信者により参拝され、狭い洞穴に入り「胎内めぐり」をする事により生まれ変われると言われるように。現在では、安産や縁結び、恋愛成就に御利益があるとされています。

洞穴に入って、「胎内めぐり」をする前にしっかりと参拝。

「胎内めぐり」をする時に使用する貸し出し用のヘルメット。
これは必須で、拝観する時には絶対に着用するのが良いかと。そうしないと、洞穴は狭いので、頭をガンガンぶつける事になってしまうのですね。なお、洞穴は手足が汚れてしまう箇所があるので、洋服は汚れてもOKのもので!

賽銭箱右側には、溶岩?鍾乳石?のような変わった石の展示。

錦絵

同じく、賽銭箱右側に、江戸時代に「胎内めぐり」をした富士行者たちの錦絵の展示。昔から人気だったんですね。

洞穴入口

賽銭箱の奥に、ぽっかりとあいた洞穴の入口。数本の樹型が交差している構造で、総延長約68m、長いところで約20mの長さがあるのだそう。

早速、洞穴に足を踏み入れます。何だか「インディ・ジョーンズ」のような、ちょっとワクワクする”プチ探検”です!

肋骨

中腰で進んでいくと、肋骨と呼ばれる空洞にでます。確かに穴の横の部分が、”あばら”のようですね。

枝分かれしている行き止まりの短い穴の奥には、金色の紙垂?。

母の胎内

そして、最大の難所「母の胎内」に到着。
ここは、大人ひとり通るのがやっとの広さで、ベタッとしゃがんだまま、10数メートルを1歩ずつ進んでいきます。突き当りに大人2~3名ほど立てる空洞があり、そこに「木花開耶姫像」が祀られています。拝観後は、また同じ道を戻ります。
狭い為、一度に大人数は通れませんので、前の方達が戻ってくるまで、この場所で待機します。

ところどころに明かりが灯されているので、洞穴内の状況はよく観察できます。それにしても狭いので、進むのに一苦労!もともと木が横たわっていたところが、ポッカリと空洞になっているので、綺麗な丸い穴の形なんですね。溶岩樹型スゴイ!

もう一息。少し狭まった穴の先に広い空洞があります。下に板が置かれていますが、大人だと、ここは四つん這いにならないと通れないかと。

「母の胎内」のゴールに到着!「木花開耶姫像」を有難く拝ませて頂きます。

次は「父の胎内」へ。ここは、背が高い方でも少し身を屈めれば、問題なく進めるかと。

父の胎内

ありました!洞穴の突き当りに「父の胎内」。上の写真だと少し見えにくいのですが、賽銭箱の後ろに、邇邇芸命(ににぎのみこと)の像が安置されています。

「父の胎内」を少し上がったところが洞穴の出口。

洞穴の出口付近は、こんな感じになっています。社殿に向かって左奥のゴツゴツした岩の中にありました。これにて”プチ探検”は終了。

「母の胎内」では、しゃがみながら進む事になるので、少し筋肉痛になるかも知れませんが、観賞するだけでなく、体験する”富士山世界遺産”としておすすめですよ~!

基本情報

・名称:船津胎内樹型(無戸室浅間神社)
・住所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津6603
・電話:0555-72-4331
・営業時間:9~17時
・休館日:月曜日
 ※月曜祝日は開館/6-8月無休
 ※営業日変動可能性もあり,HPにて確認要 
・拝観料:高校生以上/200円,小中学生/100円
 ※2023年10月時点
・駐車場:あり
・HP:船津胎内樹型 | 河口湖フィールドセンター
・アクセス
-富士急行「河口湖駅」からバス
「環境科学研究所入口」下車徒歩約5分