こんにちは。埼玉県さいたま市にある『大宮盆栽美術館』のご紹介です。
今や「BONSAI」として、世界各国で評価されている日本の伝統文化ですが、さいたま市が盆栽文化の発信の為、2010年に開館した世界初の公立の盆栽美術館です。場所は「大宮公園」舟遊池近くの出入口から徒歩10~12分ほど。少し足を延ばして訪問してみました。
盆栽のまち
『大宮盆栽美術館』近くの「盆栽村」。紛れもない世界の盆栽の中心地なんですね。この付近の町名まで「盆栽町」と言うのだから驚き!例年5月のGWには「大盆栽まつり」が開催されるようです。
美術館に向かう途中、閑静な住宅地を歩いていると、歩道に埋め込まれた盆栽のタイルを発見。「盆栽村」と言う事もあるし、このあたりは都市景観大賞にも選ばれているので、綺麗に整備されていますね。もとは、関東大震災で被害を被った盆栽業者が、東京を離れて盆栽の育成に適した、この場所に移り住んだのが「盆栽村」のはじまりらしい。その後、盆栽業者と盆栽愛好家が集まる村を目指した町づくりに取り組んだとの事で、正に”盆栽の聖地”なんですね!
大宮盆栽美術館
こじんまりとした雰囲気の「建物」です。入口は小さな和風の門の先にあります。ロビーは広く、開放的。受付の奥に見える中庭が、お目当ての「盆栽庭園」です。
なお、観覧料は一般310円。(2023年2月時点)
館内案内図
館内には写真撮影可と不可のエリアがあり、館内ギャラリーは不可、色々な盆栽が展示されている「盆栽庭園」は撮影OKです。では、早速「盆栽庭園」へ。
盆栽庭園
常時、約60点もの盆栽が展示されている「盆栽庭園」。盆栽好きではなくても、幹や枝ぶりが素晴らしいものが多いので、思わず見入ってしまいます。
盆栽って”生きたアート作品”ですよね。あんなコンパクトなスペースの中の古木が、花を咲かせたり、紅葉したり、落葉したり…。わびさびが凝縮された芸術ですね。
ちょっと気になった作品を何点か、ピップアップしてみました。
五葉松「千代の松」推定樹齢500年
結構、大型の作品ですね。この美術館に展示している盆栽の中でも最大級のものらしい。枝ぶりが見事な逸品かと思いますが、推定樹齢ってどうやって調べるんでしょうね。美術館に展示されている作品なので、恐らく、昔から何人もの人に管理されてきた由緒はハッキリしているでしょうから、それに加えて、もともと自然の中に生えていた時の樹齢を推定して算出するのかな。
黒松「獅子の舞」推定樹齢100年
幹の部分が、獅子舞が中腰の姿勢で、頭を天に向かって突き出して、踊っているように見えるから「獅子の舞」なんでしょうか。
小さいながらも古木を感じる幹の表皮も盆栽の見どころのひとつかと思いますが、根元から最初の枝までの幹の事を「立ち上がり」と呼ぶそうです。
五葉松「青龍」推定樹齢350年
幹が横に伸びている目を見張る作品。本当に”龍”が首を持ち上げてるように見えますね!推定樹齢350年との事ですが、いったい、どの程度、成長した時点で、盆栽にして管理し始めたのか、気になるところです。
黒松 推定樹齢150年
この黒松も荒々しい幹が魅力的です。根の張り方と苔もいい雰囲気。
黒松「岩松庵」 推定樹齢150年
同じく、荒々しい幹が魅力の黒松の盆栽。幹の黒い部分がより多いせいか、力強い雰囲気を感じます。
真柏「寿雲」推定樹齢800年
ビャクシンの盆栽ですね。色々な呼称があって「真柏(シンパク)」「伊吹(イブキ)」「柏槇(ビャクシン)」など。流木のような幹が美しいです。
五葉松 推定樹齢200年
これも大きな作品。幹の上のほうがうねっていますね。
杉 樹齢100年
こんなにコンパクトに鉢に納まっている杉なんて、初めて見ました!
野梅 推定樹齢80年
よりアートな雰囲気の作品。
花梨 推定樹齢150年
珊瑚のような盆栽ですが、これ、カリンなので実がなる?のかな。
調べてみると、やはり実がなる盆栽として人気があるのだとか。春になると、芽吹いて、新緑になり、花を咲かせ、実がなり、紅葉して、落葉する…。季節を楽しむ盆栽なんてスゴイ!
盆栽趣味がなくとも楽しめる『大宮盆栽美術館』。観覧料もリーズナブルなので、大宮にお越しの際は、ぶらり立ち寄ってみる事をおすすめします。
基本情報
・名称:大宮盆栽美術館
・住所:埼玉県さいたま市北区土呂町2-43-3
・電話:048-780-2091
・開館:3~10月/9~16時30分
11~2月/9~16時
・休館日:木曜日,年末年始等
・観覧料:一般/310円
高大生・65歳以上/150円
小中学生/100円
※2023年2月時点
・駐車場:あり
・HP:さいたま市大宮盆栽美術館
・アクセス
-JR宇都宮線「土呂駅」より徒歩5分
-東武アーバンバークライン
「大宮公園駅」より徒歩10分