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【王子稲荷神社・装束稲荷神社】大晦日の「王子狐の行列」が有名な神社

こんにちは。今回は、東京都北区「王子駅」近くにご鎮座する『王子稲荷神社』と『装束稲荷神社』の参拝録です。
「王子」には、毎年大晦日の夜に、関東のあちこちから集まってきた狐たちが正装して『王子稲荷神社』を詣でたという狐にまつわる伝承があります。
大晦日から元旦にかけての深夜に、狐のお面やメークをした地元の方々が、行列を成して練り歩く「王子狐の行列」が行われ、「王子」の風物詩になっています。

王子稲荷神社

『王子稲荷神社』は江戸時代の頃、関東の稲荷総社を名乗っていた稲荷社。大きな境内を持つ神社ではありませんが、格式が高いんですね。
御祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、宇気母智之神(うけもちのかみ)、和久産巣日神(わくむすびのかみ)。
神門に門があり施錠されています。中に入れないのは、参道と境内の一部が、神社が経営する「いなり幼稚園」の園庭になっている為で、授業やイベントがある時は通行不可。ぐるっと回りこんで、裏参道からの参拝になります。

裏参道から入って、社殿前に到着。社殿は少し高台に位置しています。見下ろすと園児たちがお遊戯の練習をやっていました。

ご由緒について。
康平年中に征夷大将軍、源頼義により「関東稲荷総司」の称号を頂く。小田原北条氏についで、徳川将軍家代々の祈願所と定められてきた。現在の御社殿は十一代将軍家斉公により新規寄進されたもの。落語「王子の狐」の舞台でもある。
(引用元:東京神社庁HPより)

社殿は割と立派。傷んだ箇所を改修しつつも昔のままの姿を残しているんでしょうね。江戸時代にはかなり人気の神社で、江戸の名所のひとつであったらしい。
歌川広重の浮世絵「各所江戸百景」でも『王子稲荷神社』が描かれています。

さて、次は「王子狐の行列」のスタート地点である『装束稲荷神社』へ。

装束稲荷神社

『王子稲荷神社』の摂社『装束稲荷神社』。大通りから1本外れた裏通りにひっそりと佇んでいました。

王子狐の行列

歌川広重の「王子装束ゑの木 大晦日の狐火」を再現した一大イベント「王子狐の行列」。残念ながら、2022年の大晦日の「王子狐の行列」はコロナ拡大防止のため、中止の模様。

王子装束ゑの木 大晦日の狐火

毎年大晦日の夜、関東各地から王子の榎の木の下に集まってきた狐たちの様子を描いた、歌川広重の浮世絵。この榎の下で衣装を改め『王子稲荷神社』に参詣したという伝承です。現在の『装束稲荷神社』は、この榎があったとされる近くにご鎮座しています。

スマートで凛とした雰囲気の”お狐さま”。

狐のお面が可愛らしい。

境内隅にはたくさんの提灯が吊るされていました。「狐火」と言う事でこんなにあるのだろうか。常設のようですが、大晦日以外の夜もあかりが灯されるのかな。
ネットで”狐火の名所”で検索すると『王子稲荷』と出てくるので、江戸時代からよく知られた場所だったんですね。狐たちが灯す狐火の多少により、翌年の農作物の豊凶を占ったという云い伝えもあるそう。
平成5年(1993年)から続けられている、大晦日の夜の「王子狐の行列」。どんな感じに練り歩くのか見てみたいですね。

基本情報

〇王子稲荷神社
・住所:東京都北区岸町1-12-26
・電話:03-3907-3032
※JR/南北線「王子駅」より徒歩5分

〇装束稲荷神社
・住所:東京都北区王子2-30-14
・電話:03-3911-2227
※JR/南北線「王子駅」より徒歩6分

王子稲荷神社⇒装束稲荷神社