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ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

【東京都中目黒 長泉院附属 現代彫刻美術館】閑静な住宅街の中にある "お寺が運営する隠れたアートスポット”

こんにちは。東京・中目黒にある『長泉院附属 現代彫刻美術館』に行ってきました。
”お寺が運営する美術館”って、一体どんな感じなのか、興味津々で観に行きましたが、非常にレベルの高い美術館でビックリ!しかも、鑑賞は「無料」なんですね。
今回は、そんな”隠れたアートスポット”の散策録です。

美術館入口

東急東横線『中目黒駅』から徒歩15分程度、閑静な住宅街のど真ん中にありました。
美術館を運営する「長泉院」は、200年以上の歴史を持つ浄土宗の古いお寺のようです。

コロナ禍だからなのか、システムだからなのかは不明ですが、本館は入館可能時間が限定されいる模様。野外展示場は時間内なら見学自由のようです。

現代彫刻美術館・本館

建物の周りには彫刻がいっぱい!雰囲気良さげです。

お寺なので、美術館の敷地には、十三重の構造の石塔も建っています。塔の向こう側に見える建物がお寺。

野外展示場

野外展示場は、全部で4つもあり、見応え十分の展示内容!
公園のようなスペースに多くの彫刻が展示されており、時間内は見学も自由なんて、ほとんど「パブリックアート」ですね。
門を整備していないので、自由に入れてしまいますが、近隣の住民の方の迷惑になるので、時間外の鑑賞は控えるように…との事。

さて、気に入った作品を何点かピックアップしましたので、順番に見て行きます。

「アタマニキタ 平成之大馬鹿門  SORA ‘98」

空充秋 作

入口の門の脇にあった作品。石の立体ジグソーパズルみたいで面白いですね。
作品名や作者名を探していると、小さく、彫られているのを見つけました。
「アタマニキタ 平成之大馬鹿門  SORA ‘98」
面白いエピソードがあり、平成8年(1996年)、作者の空充秋氏が、京都の仏教大学の門柱として製作し、「平成之大馬鹿門」と彫り込んだ名称に、大学側が「馬鹿」と言う言葉に難色を示し、騒動に発展。
多くの議論が交わされたが、大学側が折れる事はなく、引き取りを拒否。結局、全国から作品の譲渡の申し入れが殺到する中、最終的には、兵庫県千種町が譲り受け、地元の山「空山」と「おごしき山」、二つの山に設置したとの事です。なかなか興味深い話です。
『長泉院附属 現代彫刻美術館』のこの作品は、騒動の2年後に製作された作品、だから、「アタマニキタ 平成之大馬鹿門  SORA ‘98」なんですね!

「行道衆-‘84」「行動衆-‘85」

三木俊治 作

なが~い作品です。群衆と思われる小さな像が並んでいます。
”行道”とは、僧が行列して読経しながら仏像や仏堂の周囲を右回りに巡るとの事ですが、この行列ぶりはスゴイ!

野外展示場3

まず「野外展示場3」から鑑賞します。まわりは民家に囲まれている不思議な空間です。

「和の目門(広開浄土門)」

空 充秋作

「平成之大馬鹿門」の作者の方の大型作品。積み上げられた巨石が大迫力!
この作品を展示場の中心に配し、その周りに様々な作品が並べられています。

「man on the rock」

青野 正 作

「風景-YON」

菅原二郎 作

「存在-揺」

中嶋一雄 作

「幻の分水嶺」

菊池伸治 作

「歴層」

赤萩賢司 作

角度を変えて観ると、だいぶ表情が異なる作品です。

野外展示場4

「野外展示場3」の奥にある「野外展示場4」。民家の窓から見える場所に、作品が展示されているのがスゴイ!

「Brief Moment」

青野セクウォイア作

岩に閉じ込められている?像が妙にリアル。インパクト大の作品ですね!
「野外展示場4」には、本作品を含めて、4点が展示されていました。

「U字溝」

鈴木 悟 作

「輝きを抱いて」

佐善 圭 作

「内側のかたち 06-1 」

菅原二郎 作

野外展示場1

「野外展示場1」へ。
思った以上に、展示作品数が多いです。これだけ沢山の屋外彫刻のある美術館も珍しい。「野外彫刻」として、公共性のあるものにしているので、やはり「パブリックアート」なんだろう。

「妖精(Ⅰ)」

北村治禧 作

「L第一防波堤」

峯田敏郎 作

「二つの友情」

佐藤助雄 作

野外展示場2

「野外展示場1」の奥にある「野外展示場2」。
ここも向いのマンションから、野外展示場が良く見えますね。ベンチもあり、地域の人達の憩いの場所なんだろうなぁ。
ここの展示場の作品も何点かピックアップしてみました。

「人海」 

堀 進二 作

この彫刻は凄すぎ!
おどろおどろしくもあり、力強くもあり、何か惹きつけられる作品ですな。

「風の日島を出た女-岬-」

峯田義郎 作

「少女と鳥」

峯田義郎 作

「受・夏」

鈴木 徹 作

本館周辺の彫刻

「野外展示場」の作品を観終えて、本館まわりの作品鑑賞へ。

「冬将軍」

鈴木徹 作

厳しい冬をもたらす「冬将軍」の正体でしょうか。人知を超えた生き物みたいで、迫力があります。特に膝のあたりがスゴイ!

「トルソー」

堀口泰造 作

「雲に乗れ」と「波に乗れ」

田中 毅 作

「風・道」

峯田義郎 作

”多くの人の芸術に触れてもらえる機会になれば…”とのお寺の心意気が伝わってくる美術館なのがいいですね。「中目黒」散策のおすすめの場所です。

基本情報

・名称:長泉院附属 現代彫刻美術館
・住所:東京都目黒区中目黒4-12-18
・電話:03-3792-5858
・HP:http://museum-of-sculpture.org/

アクセス

〇東急東横線
『中目黒駅』より徒歩16分
〇JR/東急線/東京メトロ
『目黒駅』より徒歩18分