こんにちは。東京・立川市にある『ファーレ立川』のアート散策をしてきました。
街にこれだけ多くのパブリックアートが点在する場所は珍しい。なんと36か国92人のアーティストによる109もの作品が設置されているので驚きです。
今回はその中から何点かピックアップして紹介します。ものスゴイ、パブリックアート群です。
多摩モノレール
多摩都市モノレール線が停車する『立川北駅』。今回の散策は、ここからスタート。
案内図
パブリックアート鑑賞には、「ファーレ立川 アートマップ」が便利です。
スマホで案内図を見ながら散策するも良し、PDFを印刷するのも良し。
「ケンタウルス・モーターサイクル」
篠原有司男 作
HPの作品説明によると、カエルが乗ったオートバイのお化け、オートバイの神様なのだそう。ド迫力の彫刻ですね。
「きみはただここにすわっていて、ぼくが見張っていてあげるから」
ホセイン・ヴァラマネシュ作
なが~い作品タイトルです。歩道に置かれたた椅子とスリッパ。少し離れて鑑賞すると、タイトルの意味が判明します。
見張ってくれている影が描かれています。これは面白い。
「禅庭のためのエネルギー・バロメーター」
レベッカ・ホーン作
難解なタイトルですが、松のまわりの”じょうご”にちょっと”わびさび”を感じます。
無題
ゲオルギー・チャプカノフ作
昔使われた農機具を利用して製作された作品らしい。無題の作品ですが、HPの作品説明に、「道祖神 立川の動物たちー羊」と書かれていました。『ファーレ立川』には、このような道祖神が至る所にあります。
「母と子を殺した父親のようなもの」
「父親に殺された子を受精させた父親のようなもの」
彦坂尚嘉 作
赤いオブジェ、青いオブジェ、それぞれに作品名が付けられています。機能的には”排気口”なのだそう。
無題
陰里寿朗 作
人の上半身らしき彫刻の顔の部分に鏡が付いている作品。HPの説明によると「彫刻作品は見られるだけでなく、その人たちを見ており、日々急いで生きている人たちに、自分を見直させる装置」との事。(ファーレ立川アートHPより引用)
「浮遊する水」
松田重仁 作
ラグビーボールのような形のものが斜めに傾いている感じが印象的。
木を彫ってそれを型抜きしブロンズの作品らしく、ノミのあとが残っているのが見どころです。
「ウサギとカメ」
藤原吉志子 作
童話「うさぎとかめ」をモチーフにした愛らしい作品。
道路向こうに、車の形をしたパブリックアート発見!
無題
ロヴィト・アコンチ作
車を縦に輪切りにしてしまった凄いインパクト!中の座席に座る事もできるベンチの機能も兼ね備えているようです。遊び心ある作品ですね。
「風の吹く場所」
田中信太郎 作
空に伸びる卵型のオブジェが3つ。風が吹くとユラユラと揺れるのでしょうか。
「Thio-2」
スティーブン・アントナコス作
ビルの壁面のネオンもパブリックアートだそうです。
「浮くかたちー赤/垂」
植松奎二 作
”パッと見”それぞれのパーツがどのように繋がり支えあっているのか、不思議に感じる作品。
『ファーレ立川』の中心部付近の作品を見に行きます。
無題
サンデー・ジャック・アクバン作
この御一行様もパブリックアート。ナイジェリアの方々だそうです。
「会話」
ニキ・ド・サンファル作
ベンチも兼ねたパブリックアート。折角なので座って、しばし休憩。
「自転車もどきⅥ」
ロバート・ラウシェンバーグ作
自転車にネオンを付けて駐車場のサインとしてしているらしい。
「オープンカフェテラス」
ジャン=ピエール・レイノー作
ビルの谷間の赤い巨大な植木鉢。何ともシュールな風景です。
「訪問者」
新宮普 作
何となく、アシカのボールパフォーマンスのようにも見えます。モノレールとのコラボの写真を一枚。
無題
伊藤誠 作
柱にスポッと入った巨大な”知恵の輪”みたいな作品。べデストリアン・デッキの柱と同時に造ったのでしょうか、それとも後から繋ぎ合わせたのでしょうか。
無題
ジャウマ・プレンサ作
鉄の支柱に施された文字と栓抜きのようなオブジェが印象的です。
「遡洄する大木」
無題
西雅秋 作
歩道に転がっている”大木”が何とも面白いですね。ベンチなので、歩き疲れた時、一休みできます。
ゲオルギー・チャプカノフ作
この作者の方の2つ目の作品。今度は道祖神(立川の動物たち‐犬)。昔使用されていた農機具のスクラップを利用して製作されています。
「黄色の種類」
無題
岡本敦生 作
石から”ちょこっと”出ている尻尾のようなものは何だろうか。
無題
ジョゼ・デ・ギマランイス作
色鮮やかなタイル・アート。
無題
リチャード・ウィルソン作
途中で途切れた”アンティークな手摺の階段”が目を引く作品。
地下の機械室への入口と排気口を兼ねているそう。
「石鐘の庭」
モンティエン・ブンマー作
たくさんの鐘のオブジェが連なる東洋の雰囲気っぽい作品。作者はタイの方だそう。
「ブリーフケースをもった男」
ジョナサン・ポロフスキー作
ビルの端に立つ影のような大きな男。大きい作品なので目立っています。足元の7桁の番号は何なのだろうか。
アートマップには載っていませんでしたが、気に入ったので写真を一枚。ベンチ?ですかね。
「山」
アニッシュ・カブーア作
まるで”パラマウント・ピクチャーズの山”が並んでいるみたいですね。
「ダブルベンチ」
アレシュ・ヴェゼリー作
どういうバランスになっているのか不思議になるベンチ。
「タチカワの女」
エステル・アルバルダネ作
見る角度によってだいぶ印象が違ってくる作品。向かって左側の女性が右手を上げて、イェーっとしているような、この角度が一番気に入りました。
「人間肘掛け椅子」
パトリック・ヴィレール作
生垣の中に設置された大きな椅子。背もたれの眼が怖い。
無題
ゲオルギー・チャプカ作
この作者の方の本日3つ目の作品、道祖神(立川の動物たち‐馬)。『ファーレ立川』の守り神として御鎮座しているのだろうか。
無題
ナディム・カラム作
人や動物のシルエットが並ぶメルヘンチックな作品。
無題
大岩オスカール幸男 作
歩道に埋め込まれた三葉虫のようなデザインのアート。
柳健治 作
歩道橋の上に架かる赤いゲート。これもパブリックアートらしい。
「最後の買い物」
タン・ダ・ウ作
巨大なラタンの籠のようなパブリックアート。街に馴染んでいますね。
無題
ヘンリー・ムンヤラジ作
作者の方がジンバブエの方らしく、ジンバブエの伝統工芸「ショナ彫刻」のような、どこか民族的な雰囲気を持ったパブリックアートです。
無題
竹田康宏 作
可愛らしくもセクシーな雰囲気もある彫刻。これと似たようなポケモンがいたような、いないような…。
無題
潮田友子 作
エンパイア・ステート・ビルを積み木で造ったようなシンプルな作品。黄色が目立ちます。
「17才」
袴田京太朗 作
高さ9mもある大型のパブリックアート。作品タイトルがちょっと難解です。
「セルタイプス、オーガネル、オーガニズム」
トニー・クラッグ作
ビル壁面に設置された壁面レリーフ。うっかりすると見落としそうな場所にあります。
無題
依田久仁夫+エステル・アルバルダネ作
二人のアーティストのコラボ作品のようです。すぐにエステル・アルバルダネ作品とわかる人と犬の彫刻。こういうベンチが歩道にあるなんていいですね。
「標的の裏側」
牛液(ニュウボ)作
この作品も街の中に溶け込んでいます。ポップアートの先駆者として知られているジャスパージョーンズ氏の作品のパロディだそう。
「リップスティック」
クレス・オルデンバーグ作
口紅をモチーフにしたポップアート。シンプルな造りなのですが、印象に残ります。
無題
山本正道 作
思わず座ってみたくなるベンチも兼ねたパブリックアート。横浜『山下公園』の「赤い靴をはいてた女の子」像も手掛けた方の作品です。
これにて『ファーレ立川』のパブリックアート鑑賞は終了。
作品の質が高く、有料の美術館にも負けず劣らず、見応え十分。アート散策には、絶対にお薦めの場所です。
基本情報
・名称:ファーレ立川
・住所:東京都立川市曙町2-37-3
・電話:042-523-2111
・駐車場:近隣コインパーキング利用
・HP:ファーレ立川アート
アクセス
〇多摩モノレール
『立川北駅』下車
〇JR中央線
『立川駅』下車
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