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【五千頭の龍が昇る聖天宮】国内最大級「道教のお宮」参拝

こんにちは。埼玉県坂戸市にある『五千頭の龍が昇る聖天宮』の拝観レポートです。『聖天宮』は、中国台湾三大宗教のひとつである「道教」のお宮で、日本国内においては最大級の規模を誇る建造物。横浜中華街にも関羽を祀る「関帝廟」があり、建造物の様式は似ていますが、『聖天宮』はそのスケールを遥かに越える豪華な宮殿のような造りでした。

東武東上線「若葉駅」を下車、東口から「若葉台通り」をひたすら歩く事25分、市街地を抜けると、こんな感じに広大な畑が広がっています。Google Mapで調べると「聖天宮(せいてんきゅう)」までは約2.4㎞。もう少しですね。さすがに真夏にここを歩くのは、キツイかも知れません。

聖天宮

突然、広大な畑の中に、どっしりと建つ中華風の建造物が姿を現します。何故、こんな場所に豪華絢爛なお宮が建っているのか、違和感を感じましたが、創設者の康國典大法師が、神様のご加護により、大病を克服したのを期に、お宮建造の地を探していたところ、生まれた国・台湾ではなく、日本のこの地にとのお告げがあったからなのだそう。何とも不思議な話ですね。

天門

豪華な「天門」に圧倒されますね!
開門は10時から。拝観は有料で、大人500円(2023年3月時点)
『聖天宮』は、道教の最高神である「三清道祖」を祀っています。「三清道祖」とは、天地創造の神として万物の成り立ちを司る「元始天尊」、万物を導く道を司る神「道徳天尊」、万物に魂を授け、精神の調和を司る神「霊寶天尊」。

『五千頭の龍が昇る聖天宮』が施設の正式名称のようですが、5000頭の龍の彫り物や絵が至るところにあるんでしょうね。

装飾が細かいですね。よ~く見ると獅子や象や鳥、様々な生き物が彫刻されています。

雄は「陽」、雌は「陰」を象徴する唐獅子。

「聖天宮」の碑。
東武東上線「若葉駅」がなかった頃に、この場所を整地、台湾から呼び寄せた一流の宮大工によって建造され、15年の歳月をかけ、1995年に開廟。

前殿・鐘楼・鼓楼

「天門」を抜けると正面に立派なお宮。3つの建造物によって構成されており、向かって真ん中が「前殿」、右側が「鐘楼」、左側が「鼓楼」。

前殿

圧巻の壁面・天井彫刻!

気になった彫刻を何点かピックアップしてみました。どの彫刻もよく出来ています。

「天門」両脇の唐獅子とは、表情の異なった唐獅子。

目を見張る装飾で囲まれた「前殿」内部。

「前殿」内部の正面はガラス張りになっており、中庭の向こうに「本殿」が見えます。

聖天宮おみくじ

「前殿」には、台湾流のおみくじを引く場所がありました。引き方が面白いですよ。

「シンプエー」と呼ばれる、表と裏で異なる「陰」「陽」が書かれた三日月形の木を床に落として、「陰」と「陽」が一対にならないとおみくじを見れないらしい。

「男性用」と「女性用」があるんですね。
この”おみくじ”引いてみたかったのですが、観光バスで到着した50人以上の団体さんが押し寄せてきたので、混雑する前に「本殿」へ進みます。

回廊

壁に描かれた絵が印象的な回廊。「三清道祖」を中心とした様々な神々の物語の一場面を描いたものだろうか。

本殿

屋根の端が反り返っている建築様式を”つばめの尾”のように見える事から「燕尾脊」と呼ぶそうです。絵になりますね。

「本殿」の装飾彫刻も見事!特に「九龍柱」と呼ばれる一つの岩から”九頭の龍”を彫った柱は必見。

九龍網

これも1枚の岩から彫られた”九頭の龍”。説明板によると、九頭の龍は万物を網羅する神様の威厳を表し、「永久」の「久」としても縁起の良い数字なのだそう。

ゴージャスな”金の龍”が施された香炉。

「本殿」真ん中に祀られているのが「三清道祖」。近くからの撮影はNG。撮影可能なラインが設けられています。

様々な龍

壁や天井のあちこちに潜む”龍”を探してみました。これらも5000頭の龍の一部なんでしょうね。
鐘楼・鼓楼

「前殿」の両端にある「鐘楼・鼓楼」に昇れるとの事なので、屋根に装飾された龍や鳳凰を間近で見れるようです。ちょっとした展望台みたいな場所でしょうか。

館内のところどころに置かれた”桃と子供?”の置物。鐘楼の階段近くにもありました。たまに見かけるのですが、桃は風水的に”魔除け”や”子宝”に良いとされるので、それと関係あるのかな。

「鐘楼」に到着。塔のまわりをぐるりと一周できる構造になっています。

塔に上れば、屋根飾りをすぐ近くで見られるのが『五千頭の龍が昇る聖天宮』の良いところですね。迫力ありますよ。

龍に目が行ってしまいますが、鳳凰もいい味出していますね!

鼓楼の上から見た「本殿」。

台湾みやげ

台湾のドリンクやラーメンの自動販売機。「鼓楼」近くの休憩所に設置されています。思いがけずに”台湾みやげ”が買えました。

若干、不便な場所ではありますが、豪華絢爛な建物に満足の『五千頭の龍が昇る聖天宮』。機会あれば、ぜひ台湾の参拝体験に訪れてみて下さい。

基本情報

・名称:五千頭の龍が昇る聖天宮
・住所:埼玉県坂戸市塚越51-1
・電話:049-281-1161
・拝観時間:10~16時
・拝観料:大人500円(高校生以上)
     中学生250円
     小学生以下/無料(大人付き添い要)
 ※2023年3月時点
・駐車場:あり(無料)
・公式HP:http://www.seitenkyu.com/
・アクセス
 -東武東上線「若葉駅」徒歩25~30分
  ※バス利用の場合 東武バス
   「戸宮交差点前」から徒歩3分