ぶらりうぉーかー

ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

【柴又帝釈天】「瑞龍松」「彫刻ギャラリー」など見どころ満載のお寺

こんにちは。今回は、東京都葛飾区の『柴又帝釈天 題経寺』へ。
ご存知、寅さんの「男はつらいよ」の舞台である「柴又」にあるお寺です。「柴又駅」から『柴又帝釈天』へと続く参道は、国の重要文化的景観に選定されている古き良き時代の下町情緒が溢れる場所。
レトロな雰囲気に誘われ、いつも多くの観光客で賑わっています。

柴又駅

京成線「柴又駅」。瓦屋根の駅舎が味があります。

「フーテンの寅像」と「さくら像」

「柴又帝釈天」参道の起点でもある駅前の広場にはお馴染み「フーテンの寅像」。
「柴又」の人気・記念撮影スポットです。

そして、寅さんを見送る妹の「さくら像」。
「フーテンの寅像」よりも後から設置されようですが、寅さんが半身で振り返る視線の先に、さくらが居る、2体でひとつの作品みたいです。二つの像は、失恋した寅さんが柴又駅から旅立とうとする際に、さくらが見送るシチュエーションなのだそう。

おりつ地蔵尊

駅前広場の隅のほうの目立たない所に、ひっそりと佇む「おりつ地蔵尊」。
由来を知ってビックリ。昭和七年(1932年)、この町の貧しい家庭に生まれた「律子」と言う名前の5歳の子供が、実父に虐待され、殴り殺されて、床の下に埋められてしまいます。その後、良心の呵責に耐え切れなくなった父親が自首、事件が明るみに出ました。慈愛に恵まれずに、この世を去った「律子」への同情が近所に広まり、有志によって地蔵を建立する事に。児童虐待のショッキングな話ですよね。あらためて、命の大切さに合掌。

帝釈天参道

「帝釈天参道」の入口に到着。

「柴又」観光案内所らしき建物の外に、寅さんの人形。

柴又ハイカラ横丁

朝早いので、まだ閉まっていますが、なんか面白そうな”昭和レトロ”なお店!
駄菓子の販売、ピンボールなど昭和の時代のゲームがたくさん並んでいるのだそう。
開いている時に、また来てみたい。

渥美清氏寄贈の「常夜燈」がありました。

天明年間の創業、川魚料理を中心とした老舗「ゑびす屋」。お店の前に飾られた大きな熊手が目を引きます。

参道途中には「柴又街道」が横切っているので、信号を渡ります。

朝9時前なので、まだお店はオープン前。草団子やら鰻やら、柴又名物のお店が立ち並んでいます。

二天門

重厚な雰囲気の「二天門」に到着。
帝釈天の配下である四天王のうち、南方守護の増長天と西方を護る広目天を安置しているので「二天門」。東方守護の持国天、北方守護の多聞天は、「帝釈堂」内に帝釈天の脇侍として安置されているとの事。

境内案内図

意外にも境内はこじんまりとしており、想像していたよりも広くないですね。
『柴又帝釈天 』の正式名称は「経栄山題経寺」、日蓮宗の寺院です。
創建は1629年(寛永六年)、禅那院日忠および題経院日栄の二人の僧によって開創。

大鐘楼

大鐘楼との名前が付いている通り、随分と大きな鐘楼。高さ約15mもあるのだそう。

浄行菩薩

日蓮宗や法華宗の四菩薩のひとり「浄行菩薩」。人の煩悩や罪などを洗い流してくれるのだとか。まずはここで身を清めます。

御神水

「浄行菩薩」の隣りにあるには、湧水の「御神水」。
どうやら、この「御神水」は名水らしく、ペットボトルに入れて持ち帰る方もいらっしゃいました。寅さんの映画の中のセリフで「私、生まれも育ちも葛飾柴又、帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、 人呼んでフーテンの寅…..」の帝釈天の産湯が、この御神水の事らしい。

妙に気になったのは、「御神水」が流れ出ている後ろの岩山に置かれている”白蛇”。
2匹の白蛇が絡まって、とぐろを巻いているのですが、尻尾の部分が金色になっています。白蛇=金運アップとよく言われていますが、これも縁起物なのかも知れませんね。

境内に設置された彫刻が気に入り、写真を一枚。奉納されたものかと思いますが、詳細は不明。

帝釈堂

「二天門」の正面にあるのが「帝釈天」。後程、紹介しますが、拝殿手前の”松の古木”が素晴らしいです。拝殿の奥に内殿があり、帝釈天の板本尊を安置しています。
また内殿の外壁には全面に彫刻が施されており、圧巻の眺め!「彫刻ギャラリー」として有料で公開されています。拝観レポートは後ほど。

瑞龍のマツ

東京都指定天然記念物の「瑞龍のマツ」。思わず見入ってしまうほど、見事な枝ぶりの松ですね。樹齢400~500年の古木らしい。枝の広がり方が、ホント芸術的!

3方向に枝が伸びているんですね。高さは10m以上、拝殿と参道の2方向に伸びる枝は、15m以上はありそう。天に昇ろうとしている龍のような名木を有難く拝まさせて頂きます。

本堂

この日、本堂は節分前の為、豆まきの舞台が組まれていたので参拝できず。

拝観受付

「大庭園・彫刻ギャラリー」拝観受付に到着。「帝釈堂」と「本堂」の間を通って突き当りまで進むと拝観券の券売所があります。「彫刻ギャラリー」のチケットと大庭園「日本庭園・邃渓園(すいけいえん)」鑑賞がセットになっており、大人400円。(2023年2月時点)
「邃渓園」も見事ですが、「彫刻ギャラリー」の圧倒的な彫刻群は目を見張るものがあり、一見の価値がありますよ。
なお、拝観料を支払った後は、ここで靴を脱いで建物に入ります。冬に庭園を鑑賞する時は、足が少し冷えるかと。スリッパは置いてなかったようなので、携帯用のスリッパを持参したほうが良いかも知れません。

回廊

拝観は、こんな感じの回廊を歩きながら、「庭園」と「彫刻ギャラリー」をめぐります。まずは庭園鑑賞から。

大客殿

屏風が飾られた日本間を観ながら、長い廊下を進んで行きます。

邃渓園

庭園は回廊を通って、ぐるりと一周できる構造になっています。東京都指定名勝だけあって、綺麗な日本庭園です。

彫刻ギャラリー

そして「彫刻ギャラリー」入口に到着。

「彫刻ギャラリー」の外観は、こんな感じに周りはガラスで覆われています。彫刻を保護する目的もあるのでしょう。内殿の全面に彫刻が施されいるので、拝観コースは2階の構造。最初は2階を鑑賞、その後、1階に下り、内殿の土台部分の彫刻も鑑賞します。

いやはや、ものスゴイ装飾彫刻ですね!これは拝観料を払って鑑賞する価値がありますね。ガラスの部屋の中にいるので、陽があたると暖かく、また通路にはベンチも設置されているので、じっくりと彫刻を鑑賞できますよ。

細部まで細かく彫られた精巧な作品には驚かされるばかり。

彫刻の中で、10枚の胴羽目板に法華経に説かれる代表的な説話を作品にしたものが有名。大正から昭和初期にかけて、加藤寅之助ら10人の彫刻師が1面ずつ、製作を分担して、10年以上の歳月をかけて完成したらしい。

彫刻の下には、法華経説話における、どのような場面かを説明したパネルも用意されています。細かい部分までホントによく彫られており、観ていて飽きません。

龍が縁どられた小窓。風流ですね。
2階部分の彫刻を見終え、1階の内殿の土台エリアへ。

内殿の土台部分は”龍の彫刻”がいっぱい!ここも見応え十分です。やはり、神社仏閣の”龍の彫刻”は心躍ります。

おみくじマシン

「二天門」近くに置かれていた2台の”おみくじマシン”。
1台は懐かしい、獅子舞がおみくじをくわえて運んでくる「からくりおみくじ」。もう一台は「寅さんおみくじ」。お馴染みの寅さんの「チャ~チャラララ~」のテーマソングが境内に流れているなぁと思っていたら、この”おみくじマシン”から鳴っていたようです。このレトロな雰囲気、いいですね。

見どころ満載の『柴又帝釈天』の参拝レポートでした。

基本情報

・名称:柴又帝釈天
・住所:東京都葛飾区柴又7-10-3
・電話:03-3657-2886
・開門時間:5~20時(大晦日は終夜)
  ※閉堂 平日17時,土日祝日18時
・彫刻ギャラリー/邃渓園の拝観
 -9時~16時30分(年末年始は閉園も)
 -拝観料/大人400円,小中学生200円
     ※2023年2月時点
・駐車場:あり(有料)
・アクセス
 -京成線「柴又駅」より徒歩3分