こんにちは。前回に続き「北鎌倉の紅葉散策」。今回は『明月院』の参拝です。
梅雨の季節を彩る紫陽花の名所として知られており、別称「あじさい寺」とも呼ばれていますが、紅葉の時期も美しく、本堂後庭園が季節限定の公開となり、参拝者で賑わいます。また、”うさぎのお寺”と呼びたくなるくらい、ウサギの置物などが境内に点在しており、何とも心が和むお寺です。本物のうさぎもいますよ!
正面入口
『明月院』は、JR横須賀線「北鎌倉駅」から徒歩10分ほど。
明月院ブルーと呼ばれるあじさいが有名ですが、境内は様々な花が咲き、四季を通して楽しめる「国指定史跡」です。拝観料は、高校以上500円、小中学生300円。(2022年12月時点)
〇明月院 概要
・山号:福源山
・院号:明月院
・宗派:臨済宗建長寺派
・創建:永暦元年(1160年)
・本尊:聖観音
平安時代後期の武将、山内首藤俊通の供養の為に「明月庵」を創建したのが始まり。
現在の「明月院」は、もともと鎌倉幕府第五代執権北条時頼公によって建立された「最明寺」、最明寺を前身として再興した「禅興寺」の小院でしたが、「禅興寺」が明治初年に廃寺となり、「明月院」のみを残して現在に至る。
ウサギとカメのお出迎え
拝観口前の小さな橋に、ちょこんと置かれた”ウサギとカメ”。橋の上から小川をのぞき込む姿が、何とも可愛らしく心癒されますね。カメの前足に包帯らしきものが巻かれていて、木片に「ケガをしています さわらないでください」と書かれている設定がいい!
さすが、”ウサギ推し”のお寺だけあって、境内にウサギの置物が点在しています。
上の写真はトイレ付近の花壇に置かれたもの。やはり、お寺の名前が『明月院』なので、昔から伝わる「月うさぎの伝説」からきているのでしょうね。
「桂橋」付近の紅葉。
『明月院』の紅葉の見頃は、例年11月下旬から12月上旬。
あじさいで有名な山門前の参道。
例年6月中旬から下旬くらいまでが”明月院ブルー”が見頃になります。
開山堂
1380年頃に建立された宗猷堂をのちに開山堂とした茅葺屋根の趣のあるお堂。
開山の祖である密室守厳の木造、歴代の住職の位牌が祀られています。
瓶の井(つるべのい)
鎌倉十井(かまくらじっせい)のひとつ「瓶の井」。現在でも使用できるらしい。開山堂の右手にあります。
鎌倉十井とは、江戸時代あまり水質が良くなかった鎌倉の地において、良質の水が湧いたと伝えられる十の井戸の事です。
明月院やぐら
開山堂左手にある、間口7m、奥行き6m、高さ3mの鎌倉最大のやぐらといわれる「明月院やぐら(羅漢洞)」。やぐらは、中世鎌倉時代特有の洞窟墳墓。壁面に釈迦如来や十六羅漢などが彫刻されているやぐらは珍しいようです。山内俊通の菩提供養の為に造られたとも伝えられています。
花想い地蔵
『明月院』の見どころのひとつである”点在する可愛らしいお地蔵さん”。
このお地蔵さんは「花想い地蔵」と呼ばれており、いつも季節の花を抱えているようです。お地蔵さんの横の看板には素敵なつぶやきが!
「人は誰しも はなかい花の想い出の中に生きています 大切な人との別れ、いとおしい物との別れ、そんな時 ふと目に止まった花が どんなにか心を慰めてくれたことでしょうか。いつくしみ深き花地蔵」
このお地蔵さんも可愛らしく、拝観のたびに見入っています。
本堂
枯山水庭園
本堂と本堂前の枯山水庭園。枯山水庭園はサツキの時期が華やかになります。
悟りの窓
あじさいと並ぶ『明月院』の見どころと言えば、やはり、この丸窓「悟りの窓」。
鎌倉を代表する”映えスポット”のひとつ。
有名すぎる程、知られている窓ですが、やはり風情を感じますよね。丸窓の向こうの四季折々の庭園の表情をしみじみと眺める”わびさびの極み”なのかと。ただ、紅葉シーズン中の週末は、丸窓の前には長蛇の列ができてしまうので、開門と同時に行くしかないですね。
本堂後庭園
通常は非公開ですが、紅葉の時期とハナショウブの開花期のみ特別公開される「本堂後庭園」。入園するには、通常拝観料とは別に、追加で500円が必要。
う~ん、Total1000円の拝観料かぁ~と思いつつも、数年に一度の参拝だし、紅葉も綺麗そうなので、拝観料をお支払いし、有難く見学させて頂きます。
庭園内には、ちょっと気になる置物が随所にあります。三日月の形にくり抜かれた石や古井戸の上の竹で作った蓋のようなもの等々。
青地蔵
本堂後庭園の魅力のひとつ「青地蔵」「赤地蔵」。紅葉とのコラボが美しいです。
まずは「青地蔵」から。『明月院』のどなたかが書かれた?「青地蔵」のつぶやきが、ありました。
「ボクは青地蔵。青は不思議な色。見上げる空も青色。そして、悠久の海も青色。だけど、青地蔵は言う。透明な青色はどこにも存在しないと。あなたはどう思いますか。青色の念(おも)い 明月院」
赤地蔵
「青地蔵」の反対側に佇む「赤地蔵」。
同じように、「赤地蔵」のつぶやきがありました。
「私は赤地蔵。あなたの体の中を流れる命の色は赤色。そして、地中深く流れる灼熱の真っ赤なマグマ。この不思議な赤色のお話、命の色を赤地蔵さま教えて下さい。ふしぎ、ふしぎ、人の体は小宇宙。赤色の思い 明月院」
そして、「青地蔵」「赤地蔵」の真ん中のお地蔵さんとウサギたち。
左側のウサギは、眼鏡をかけていますね!
ウサギ共和国
さて、参拝・拝観を終え、帰りに立ち寄った境内の「ウサギ共和国」と呼ばれる、大きなウサギ小屋と休憩スペースがあるエリア。
参拝で疲れた体を一休みする為に整備されたのだろうか。このウサギ小屋は「宇宙ステーション」と呼ぶらしい!
これ、面白いですね。新しい乗組員として、宇宙ステーション「明月号」に来る事になった”うさぎちゃん”の紹介のようですね。まだ訓練中?のようなので、この日はいませんでした。3匹は、ネロちゃん、モモちゃん、そしてオレンジちゃんなのかな。
以外と広く、床がデッキで出来ている休憩スペース。記念撮影用の椅子もあります。
記念撮影用のウサギの顔出しパネル。
宇宙ステーション「明月号」内外にあるウサギの置物。まさに”うさぎづくし”です。
いつ参拝しても、ほっこりとした気持ちになれる鎌倉の名刹『明月院』。
定期的に訪れたくなるお寺です。
基本情報
・名称:明月院
・住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189
・電話:0467-24-3437
・拝観時間:9~16時
・拝観料:高校生以上500円
小中学生300円
※本堂後庭園公開時、拝観の場合は別途500円
※拝観料は2022年12月時点
・駐車場:なし(近隣コインパーキング利用)
・アクセス
-JR横須賀線「北鎌倉駅」徒歩10分