ぶらりうぉーかー

ぶらりお散歩とプチ旅の参考書です。

『東京・府中市』公園のパブリックアート巡り【府中の森公園・府中公園・桜通り広場公園】

こんにちは。『東京・府中市』にある3つの公園を巡って、パブリックアートを鑑賞します。
府中市の「彫刻のあるまちづくり」事業推進を中心に、市内各所には多くの彫刻・パブリックアートが点在しています。そんな中から、今回は『府中の森公園』『府中公園』『桜通り広場公園』の3つの公園を散策します。

桜通り広場公園・「童々広場」

藪内 佐斗司 作

「童々広場(どうどうひろば)」との名称が付いている、この広場自体がひとつの大きな作品?なのだろうか。色々な彫刻が置かれていますね。順番に見ていきます。

「走る童子」

気になるのは、やっぱり”この彫刻”。
どこかで見た事があるような、無いような…調べてみたら、あの「せんとくん」と同じ作者の方でした。
せんとくんは、2010年に奈良県で開催された平城遷都1300年記念事業(平城遷都1300年祭)の公式マスコットキャラクター。現在は、奈良県のマスコットキャラクターでもあるんですね。
せんとくんに少し似た「童子」が広場中を走りまくっています。

まるで、”コマ送り”のような何体もの「走る童子」が最高に面白い。
この作者の方の別作品で、犬が歩く様をコマ送りで表現した作品が「横浜ビジネスパーク」にパブリックアートとして展示されています。

「桜の童子」

煙突のような柱を見上げる、この童子は何をしているのだろうか。広場には同様の彫刻が2体あります。

「蓮の池」

府中市と言えば、二千年以上前のものと推定されるハスを発見し、発芽させたハスの研究者、大賀一郎博士が住んでいた場所で、そのハスは「大賀ハス」と名付けられています。この作品も、そうしたゆかりからデザインされたのかと。

「カエル」

カエルまでコマ送り。「蓮の池」のまわりを這っています。カエルが嫌いな方は、”うぇー”となるかも知れませんね。

「こぼすなさま」

竹ぼうきを持ち、仁王立ちする 藪内 佐斗司氏の作品「こぼすなさま」。
不浄を浄化する、烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)の子供?が「こぼすなさま」と言う設定のようです。
烏枢沙摩明王は”トイレの神様”でもあるので、その子供である「こぼすなさま」がデッキブラシと桶を持ったり、色々なバージョンの像や版画が販売もされているようです。
トイレの中においての「こぼすな」以外、「愚痴をこぼすな」とか「涙をこぼすな」とか、「こぼすなさま」は様々な場面で訴えかけてきます。

『桜通り広場公園』から『府中公園』へ向かいます。ここから徒歩5~6分程度。

府中公園

『府中公園』に到着。
早速、大きな”モニュメントらしきもの”が目に飛び込んできました。「人々の門」と言う名称で、「人」の漢字を形づくっているのが面白いですね。日時計の役割も果たしています。説明板によると「三本の柱が一本となって大空に向かうこのモニュメントは、三本木地区の人達が力を合わせて、街づくりを進める姿を象徴的に表現」との事。

「木陰にて」

黒川晃彦 作

園内を散策していると、パブリックアート発見!サックス奏者の彫刻で知られる黒川晃彦氏の作品です。サックス奏者だけでなく、フルート奏者の女性までいます。

サックス奏者の演奏に耳を傾ける”猫ちゃん”の彫刻が愛らしい。

躍動感に溢れていますね。サキソフォーンの音が聞こえてきそうです。

フルート奏者と猫ちゃんの彫刻。フルートの無垢な音を聞きながら、おだやかそうな猫ちゃんが印象的です。

猫ちゃん像のアップ。面白い事に、狛犬や仁王像と同じ左右の猫ちゃんは「阿吽の形」になっています。「阿」は吐く息、「吽」は吸う息を表し、二人がひとつの事をする時の絶妙なタイミングを「阿吽の呼吸」と表現しますが、サックスとフルートのコラボは正にそれ!

府中の森公園

『府中公園』から『府中の森公園』へ移動。徒歩10分くらいです。
『府中の森公園』は、美術館やスポーツ施設もある大きな公園。園内の遊歩道にパブリックが点在しています。まずは美術館まわりから散策スタート。

府中市美術館

公園内にある東京都立の美術館で、2000年開館。

美術館前の広場にあるオブジェ。

美術館の裏手にまわると、二つのパブリックアート発見。

「木の耳」

光島貴之 作

「木の耳」…キノコのキクラゲをモチーフにした彫刻だろうか。それにしてもスゴイのは、作者の光島貴之氏は盲目のアーティスト。鍼灸を生業しながら様々な作品を世に送り出しています。この「木の耳」は”さわる彫刻”なのだそうだ。

「なつ」

久保制一 作

もともと、「府中グリーンプラザ」に設置されていたようで、建物の解体に伴い、「府中市美術館」に移設されたらしい。

「鳩もつ少年」

舟越保武 作

鳩を手に乗せた優し気な少年の像。逆光で何となく神々しい写真に。羽根があれば、まるで天使ですね。

「球を囲う幕舎」

保田晴彦 作

難解なタイトルです。「幕舎」ってテント張りの営舎の事ですが、そこに収まりきらないくらい大きい銀の玉。何を象徴しているのだろうか。

「アンとミッシェル」

朝倉響子 作

妙に公園に馴染んでいる彫刻です。「アン」と「ミッシェル」はいったい、何を話しているのでしょうか。

後ろから見ても絵になりますね。正面から鑑賞するのとは、また違った物語が感じられるのが面白い。穏やかさの中に緊張感も漂う、”色々と妄想してしまう”作品です。

「道標・鴉」

柳原義達 作

この作者の方の「道標」シリーズの作品のひとつ。道標になるのは、鳩やカラスたち。

「カリュアイの柱」

江口 週 作

何ともシンプルな柱の彫刻。「カリュアイ」と言うのはペルシャ戦争の頃のペロポネソス半島の町の事を指しているようです。
カリュアイの少女たちが奴隷として連れ去られたという伝えから、梁を支える柱に女像柱と呼ばれる柱を公共建築物に用いたと言う背景が、本作品と関係ありそうだ。

「少女」

笹戸千津子 作

「少年」

雨宮敬子 作

緑豊かな遊歩道に展示された、おどけたポーズの「少女」と恐らくボールを蹴る「少年」像。清々しい雰囲気が漂う正統的な彫刻作品ですね。

「7月(七夕)の樹」

向井良吉 作

何だか、流木を集めて作ったような変わった作品だなぁと思っていたら、本当に流木で型どりをして特殊な鋳造法で製作したらしい。ガラス玉?の青い眼が印象的です。

今回の散歩は、これにて終了。
府中市には、パブリックアートが置かれているエリアが、まだ沢山あり、また次回、散策しにきます。では、また。

基本情報

〇桜通り広場公園
・住所:東京都府中市寿町1-12
・電話:042-336-3371
  ※府中市文化スポーツ部美術館
・入園:見学自由
・駐車場:なし

〇府中公園
・住所:東京都府中市府中町2-26
・電話:042-336-6131
  ※府中市政策総務部政策課
・入園:見学自由
・駐車場:なし

〇府中の森公園
・住所:東京都府中市浅間町1-3-1
・電話:042-364-8021
・入園:見学自由
・駐車場:あり(有料)

アクセス

〇桜通り広場公園
・京王線「府中駅」より徒歩7分

〇府中公園
・京王線「府中駅」より徒歩10分

〇府中の森公園
・京王線「東府中駅」より徒歩10分

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