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旧東海道『神奈川宿歴史の道』探訪の散歩【横浜 大綱金刀比羅神社~三宝寺~本覚寺~甚行寺~洲崎大神】

こんにちは。今回は東海道五十三次の3番目の宿場町『神奈川宿』の史跡、寺社の探訪をします。
日本橋を起点として「品川宿」「川崎宿」の次の『神奈川宿』。現在の県名「神奈川県」の由来にもなっているようです。その時代の歴史や伝説を伝える為に、要所にガイドパネルを設け『神奈川宿歴史の道』とネーミングされた歴史探訪コースが整備されています。

京浜急行/神奈川駅

『神奈川駅』の開業は古く、明治三十八年(1905年)。『横浜駅』の隣にある小さな駅です。『神奈川宿歴史の道』散策は、ここからスタート。

駅前の『神奈川宿歴史の道』のガイドパネル。普段何気なく通っている道も色々なものがありますね。

神奈川台の関門跡

ガイドパネルが設置されていなければ通り過ぎてしまうような道の脇に石碑が建てられています。横浜開港後、相次いで外国人が殺傷、幕府が警備強化の為に設置した関所跡の碑。

田中家

文久三年(1863年)創業の由緒正しき老舗料亭「田中家」。
びっくりするのは、「田中家」の前身である「さくらや」が、歌川広重の「東海道五十三次」神奈川・台之景に描かれています。幕末の頃、「田中家」の初代が「さくらや」を買い取り、「田中家」がスタートしたらしい。

「田中家」前にあるガイドパネル。
「田中家」には、高杉晋作や日米修好通商条約のハリスが訪れていた事と坂本龍馬の妻「おりょう」が、龍馬亡き後、中居として勤めていたと言う事が、何とも興味深いですね。

料亭滝川

昭和22年創業の老舗「料亭滝川」。「田中家」のすぐ近くにあります。「神奈川宿」の歴史に合う佇まいです。

「料亭滝川」の外壁に飾られたパネル。
十返舎一九の「東海道中膝栗毛」の文が刻まれています。絵は歌川広重による「東海道五十三次」神奈川・台之景です。
「たどり行くほどに金川の台に来る。ここは片側に茶店軒をならべ、いづれも座敷二階造、欄干つきの廊下、桟などわたして、浪うちぎわの景色いたってよし」
このあたりは昔、「袖ヶ浦」と呼ばれる景勝地で、多くの茶屋が立ち並んでいた場所。現在のみなとみらい地区等は全て埋立て地で、海がこのあたりにまで来ていたんですね。
「東海道中膝栗毛」の文にもあるように、このあたりが「金川」と呼ばれていた事が、「神奈川」の地名由来である説があります。

大綱金刀比羅神社

『大綱金刀比羅神社』前のガイドパネル。『大綱金刀比羅神社』は、社伝によると平安時代末期の創建。

古くは「飯綱大権現」「金刀比羅大権現」と称されたましたが、明治44年(1911年)に両社を合祀、『大綱金刀比羅神社』と改称されたとの事です。

人によっては”トラウマ級のインパクト”のある天狗の木彫り像。何度見ても迫力がありますね。もともと「飯綱大権現」「金刀比羅大権現」も”山岳信仰・天狗”の繋がりがあるので、天狗の木彫り像が置かれていると思いますが、「こんぴらさん」はいつの頃からか、海の神・航海の神として知られ、船舶関係者から崇敬を集めていますよね。海の神と山の神の両方がいらっしゃる神社なんて面白いですね。

三宝寺

慶長二年(1597年)草創、瑠璃光山と号す、浄土宗の寺院です。
『大綱金刀比羅神社』の隣にある”天空の寺院”のような、何とも面白い構造のお寺です。よく見ると隣のビルと渡り廊下で繋がっています。見晴らしは良さそうですが、何故このような形の建物になったんだろうか。

本覚寺

『本覚寺』は、嘉禄2年(1226年)創建、青木山と号す、曹洞宗の寺院です。『三宝寺』の向いの小高い丘にあります。丘の上の山門前にある木が印象的。

階段を上がった所に「史跡・アメリカ領事館跡」の碑が建っています。
横浜開港時、『神奈川宿』の多くの寺院は各国の領事館として接収され、本覚寺はアメリカの領事館になったとの事。

当時、領事館員達がペンキ塗装をした山門。日本で初めてペンキが塗られた純日本建築物とされており、貴重な建造物らしい。やはり、開港の地は何かと”日本初”のものが多いです。

小綺麗な境内にある本堂。

「全国塗装業者合同慰霊碑」なるものが山門近くに設置されていますが、アメリカ領事館が本覚寺境内に設置され、その際に施された塗装が「洋式塗装の先駆け」と言われている事から製作されたようだ。ここは塗装業者の聖地なのだろうか。

甚行寺

『甚行寺』は、真色山と号す、真宗高田派の寺院で、横浜開港時は、フランス公使館に充てられていたとの事。関東大震災、横浜大空襲により倒壊・焼失、昭和四十六年(1971年)に本堂等を再建、現在に至っています。

洲崎大神

『甚行寺』から程なく、『洲崎大神』に到着。京浜急行線『神奈川駅』から徒歩5分くらいです。

〇御祭神
・天太玉命(あめのふとたまのみこと)
・天比理刀売命(あめのひりとめのみこと)
・素盞男命(すさのおのみこと)
・大山咋命(おおやまくいのみこと)
〇ご由緒
建久二年(1191年)源頼朝が安房国(現、千葉県)一宮の安房神社の御分霊を勧請した事が始まりとされている。

二の鳥居前から境内を眺めます。以外にも随分と緑豊かな落ち着いた境内。

昔は、一の鳥居のすぐ先は海だったのだろう。風光明媚な場所だったんでしょうね。

『洲崎大神』由緒略記によると、震災及び戦災により、社殿等は炎上、昭和三十一年に再建復興したとの事。

参道途中の「境内社・御嶽荷社」。お馴染み、富士の溶岩石のようなもの?でつくった山に獅子が御鎮座。

拝殿はもう一段上に建っています。木洩れ日の中の石段。なかなか風情ありますね。

毎年6月に「海幸祭」と呼ばれる例祭が行われます。昔、神社前まで海が来ていた頃は、御神輿を海に担ぎ入れて、安房神社の御本霊と海上にて御会合になる”御濱下り祭”が執り行われていたとの事。現在は、御神輿を海には入れないものの祭事はずっと続けられています。

基本情報

〇大綱金刀比羅神社
・住所:横浜市神奈川区台町7-34
・電話:045-311-5401

〇三宝寺
・住所:横浜市神奈川区台町7-1
・電話:045-322-1713

〇本覚寺
・住所:横浜市神奈川区高島台1-2
・電話:045-322-0191

〇甚行寺
・住所:横浜市神奈川区青木町3-10
・電話:045-441-2673

〇洲崎大神
・住所:横浜市神奈川区青木町5-29
・電話:045-441-5081

アクセス

〇京浜急行線
『神奈川駅』下車

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